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ユーフォルビアの徒長|柱状・球形・低木で違う見分け方と原因、伸びた株の戻し方

縁側の棚に並ぶ3鉢のユーフォルビア。左の柱状の株は上部だけが細く淡い色に伸びて傾き、中央は締まった球形、右は細い枝が茂る低木状の株
AIで生成したイメージです
この記事の結論

徒長の主な原因は光不足で、水や肥料の多さ、暖かいのに暗い置き場所が重なると進みます。一度細く伸びた部分は元の太さに戻りませんが、光を戻せばその先は締まって育ちます。伸びた部分を切って整えられるのは、枝を伸ばす低木タイプと柱状タイプ。オベサのような球形の株は、まず光を直して様子を見ます。

ユーフォルビアが細く間延びしてきたとき、気になるのは「これは徒長なのか」「切ったほうがいいのか」の2つだと思います。同じユーフォルビアでも、柱のように立つ株、球のようにふくらむ株、細い枝を茂らせる株では、徒長の出方も、伸びた部分の扱いもまるで違います。この記事では、まず手元の株のタイプで徒長を見分け、原因を光・水・肥料・温度の順にたどり、伸びた株を戻す方法と予防までをまとめました。球形のオベサだけを育てている方は、より詳しいオベサの徒長をどうぞ。

徒長とは|伸びた部分は戻らない、その先は締められる

徒長は、光が足りない環境で茎や枝が光を探すように伸び、本来より細く、色の薄い姿になることです。ユーフォルビアの体は先端の成長点から作られていくので、いったん細く伸びた部分が、あとから太くなり直すことはほとんどありません。光を戻しても、伸びたところはそのまま残ります。

その代わり、環境を直した時点から先は、また締まった姿で育ちます。徒長した株は「下は太い・途中が細い・先がまた太くなる」というくびれを持った姿に落ち着きます。このくびれをそのまま残して育てるか、切って整えるかは、株のタイプによって選べることが変わります(後半の節で扱います)。

姿のタイプ別|徒長の見分け方

ユーフォルビアは、姿で大きく3つに分けると見分けやすくなります。種類の顔ぶれはユーフォルビアの種類にまとめています。

姿のタイプ代表的な種徒長するとこうなる間違えやすい自然な姿
柱状(稜のある柱)ラクテア、白樺キリンなど先端だけ細くなり、稜が浅く色が淡い。窓の方へ傾く下から太さを保って伸びる成長
球形・塊状オベサ、ホリダ、バリダ、鉄甲丸上へ細く伸び、稜や縞がぼやける。葉を出す種は葉が細長い年を経て円柱に近づく変化
枝を伸ばす低木ミルクブッシュ、ハナキリン枝の節と節の間が長く、枝が細く垂れる。葉が大きく薄いもともと細い枝が茂る姿

どのタイプでも、徒長を見分ける手がかりは同じです。

  • 太さの境目があるか:同じ株の中で、急に細くなっている場所があれば、その時期に光が足りなかった跡です。下から上まで同じ太さで伸びているなら、自然な成長と考えてかまいません。
  • 色が薄くなっているか:伸びた先が黄緑や白っぽく抜けているのは、光が足りずに体を作ったサインです。
  • 一方向に傾いているか:窓辺の株が窓の方へ曲がるのは、片側からしか光が来ていない合図です。

稜のある柱状のユーフォルビア。下半分は太く濃い緑で、途中から急に細くくびれて色が淡くなり、先端はまた太さが戻りかけている 途中で急に細くなったところが、光の足りなかった時期の跡です。(AIで生成したイメージです)

迷いやすいのが、もともと細い姿をした種類です。タコの足のように細い腕を何本も伸ばす種類(ゴルゴニスなど)や、細い枝が茂るミルクブッシュは、細いこと自体は徒長ではありません。こうした種類は「細いかどうか」ではなく、節の間が以前より長くなっていないか、色が抜けていないかで見ます。

徒長の原因|光が主で、水・肥料・温度が後押しする

いちばん大きな原因は光です。そのうえで、ほかの条件が重なると進みが早くなります。上から順に確かめていくと、原因の見当がつきます。

  • 光が足りない:室内の窓辺、レースカーテン越し、北向きの部屋、棚の奥や下段は、外の日なたに比べるとずっと暗い場所です。人の目には明るく見えても、ユーフォルビアにとっては足りていないことがよくあります。
  • 水が多い:光が足りないところに水がたっぷりあると、株は伸びる材料だけを持って、締まった体を作れません。とくに室内で水やりの間隔が短いと、徒長が目立ちやすくなります。季節ごとの加減はユーフォルビアの水やりにまとめています。
  • 肥料が多い:窒素の多い肥料を多めに与えると、組織がやわらかく伸びやすくなります。ユーフォルビアは肥料をあまり必要としない植物なので、与えるなら成長期に薄めて少なめにします。
  • 暖かいのに暗い:冬の暖房の効いた室内は、気温があるので株は動こうとするのに、日照が短く光が足りません。冬越しのあいだに伸びてしまうのは、多くがこの組み合わせです。
  • 風が通らない:風のない場所では土が乾きにくく、水が多い状態が長く続きます。室内なら空気を回すだけでも乾き方が変わります(サーキュレーターの置き方)。

伸びてしまった株の戻し方|タイプで選ぶ

最初にやることは、どのタイプでも同じです。明るい場所へ移して、その先を締めて育てること。そのうえで、伸びた部分を切って整えるかどうかを、タイプごとに決めます。

まず光を戻す|急に直射へ出さない

暗い場所にいた株をいきなり強い直射に出すと、表皮が白や茶色に焼けて跡が残ります。明るい日陰や半日陰から始めて、1〜2週間ずつ段階的に明るい場所へ移します。屋外に出せる季節なら、雨の当たらない軒下の日なたが理想です。

室内で育て続ける場合は、南〜東向きの窓辺のいちばん明るい場所に置き、光の来る面が偏らないよう鉢を月に1回ほど回します。窓辺でも足りないときは、植物用の育成ライトで補います(育成ライトの選び方)。光を直したあと、新しく伸びた部分が太く、色が濃くなってきたら、環境が合ってきた証拠です。

枝を伸ばす低木タイプ|切り戻すと枝が増える

ミルクブッシュやハナキリンのように枝を伸ばすタイプは、伸びた枝を切り戻して姿を整えられます。切ったところの下から新しい枝が出て、まとまった姿に戻っていきます。適期は成長期の春から初夏で、切った枝はそのまま挿し穂として使えます。挿し木の手順と、挿してから根が出るまでの扱いはユーフォルビアの挿し木にまとめました。

ゴム手袋をはめた手元が、細い枝の茂る低木状のユーフォルビアの鉢の横に剪定ばさみを置いている。作業台には切り落とした枝が並び、切り口から白い乳液がにじんでいる 切り落とした枝は、乾かしてから挿し穂にできます。切り口からは白い樹液が出ます。(AIで生成したイメージです)

柱状タイプ|くびれの下で切って、上は挿し木に

ラクテアのような柱状のタイプも、細くなった部分の下で切ることができます。切った下の株からは、切り口の近くから新しい芽が出てきます。切り取った上の部分は、切り口を乾かしてから挿せば根を出すことが多く、2株に分けて仕立て直せます。

ただし、柱状の株は切った跡が残り、新しい芽がどこから何本出るかは株しだいです。徒長が先端のわずかな部分だけなら、切らずに光を戻して育てるほうが、姿は自然に保てます。

球形・塊状タイプ|まず切らずに様子を見る

オベサやホリダ、鉄甲丸のような球形・塊状の株は、枝を持たない体ひとつで育ちます。頂部を切ると成長点を失い、そこで姿が終わります。切り離した上の部分を発根させる方法(胴切り)もありますが、枯らしてしまう例も少なくありません。まず光を直して1〜2シーズン育て、それでも納得できない場合に考えるくらいの順番で十分です。

球形の株は、年を経て自然に円柱へ近づく変化と徒長の区別もつきにくいところです。オベサでの見分け方と胴切りの段取りはオベサの徒長に詳しくまとめています。挿し木で増やせない株の増やし方は、挿し木の記事の後半にあります。

切るときは白い樹液に備える

ユーフォルビアは、どの種類も切ると白い樹液が出ます。皮膚につくとかぶれることがあり、目に入ると強い刺激があります。切る前に手袋をつけ、顔を近づけずに作業します。出てきた樹液は水で洗い流し、切り口を風通しのよい日陰で乾かしてから植えるか挿します。刃物は使う前に清潔にしておきます。手や目についたときの対処と道具の片付けまではユーフォルビアの樹液にまとめています。

切る前に、樹液の段取りを手袋・水・新聞紙をそろえておけば、作業そのものは落ち着いてできます。
樹液の扱い方を見る →

徒長させない置き方|光・水・風をそろえる

徒長の予防は、原因の裏返しです。

  • 成長期は屋外の日なたへ:春と秋は、雨の当たらない日なたがいちばん締まって育ちます。真夏の直射だけは遮光30〜50%か、午後に日陰になる場所で和らげます。置き場所と日光の全体はユーフォルビアの育て方にまとめています。
  • 室内は「明るさに合わせて水を減らす」:光の少ない場所ほど、水の間隔をあけます。暗い場所で水だけ成長期と同じに与えるのが、いちばん伸びやすい組み合わせです。
  • 冬は暖かすぎる場所を避ける:日照の短い冬に暖房の近くへ置くと、株が動いて伸びます。窓辺の明るさを優先し、水は控えめにして休ませます。
  • 肥料は控えめに:成長期に薄めて少なく。植え替えの元肥だけで足りることも多い植物です。
  • 鉢を月に1回回す:片側だけが伸びる傾きを防ぎます。
  • 伸び始めのうちに気づく:先端の色が淡くなった、新しい部分が少し細い、と感じた時点で置き場所を見直すと、くびれが目立つ前に止められます。

用土の水はけも、間接的に効いてきます。乾きの早い配合にしておくと、水の多さからくる徒長が起こりにくくなります(用土の配合)。

縁側では、オベサと鉄甲丸の交配種「オベサ鉄甲」(愛好家のあいだでは「オベ鉄」)のうち、締まった姿の個体を選んで紹介していく予定です(個体販売は準備中)。はじめの入荷は入荷通知に登録いただいた方から先にお知らせします。

よくある質問

徒長したユーフォルビアは、日に当てれば元の太さに戻りますか?

伸びてしまった部分は戻りません。ユーフォルビアの体は先端から作られていくため、細く決まった部分があとから太くなり直すことはほとんどないからです。ただ、光を戻した時点から先は締まって育つので、細いくびれを下に残した姿に落ち着きます。くびれが気になる場合、枝を伸ばす低木タイプや柱状タイプなら切って整える方法があります。

徒長した部分を切った先は、挿し木にできますか?

ミルクブッシュやハナキリンのような低木タイプ、ラクテアのような柱状タイプは、切った先を挿し穂にできます。白い樹液を水で洗い流し、切り口を日陰で数日から1週間ほど乾かしてから乾いた用土に挿します。オベサのような球形の株は、切り離した部分を発根させることはできても失敗が多いので、まずは切らずに光を直すことをおすすめします。

室内で育てていると、どうしても徒長します。育成ライトは必要ですか?

南〜東向きの明るい窓辺に置けて、春と秋に屋外へ出せるなら、なくても育てられます。窓から離れた棚で育てる場合や、冬のあいだに毎年伸びてしまう場合は、育成ライトで光を足すと効果がはっきり出ます。ライトを使うときも、水を光の量に合わせて控えめにすることが、徒長を止めるうえで同じくらい大切です。

徒長と、年を経て背が高くなる自然な成長はどう見分けますか?

太さの境目と色で見ます。下から上まで同じ太さで、稜や縞の締まり、色の濃さも変わらずに伸びているなら自然な成長です。途中で急に細くなっている、伸びた先の色が淡い、窓の方へ傾いている、という特徴があれば徒長です。オベサの場合の詳しい見分け方は、オベサの徒長の記事にまとめています。

縁
縁側 編集部オベサ鉄甲を中心に、塊根植物とユーフォルビアの育て方と選び方を、静かに言葉にしています。

入荷のお知らせと育て方の便りを、月に二度。

個体販売は準備中です。はじめの入荷は、登録いただいた方から先にお知らせします。