育て方

火星人(フォッケア・エデュリス)の育て方|水やり・植え替え・冬越しと塊根を太らせるコツ

素焼き鉢に植えた火星人(フォッケア・エデュリス)。灰白色でざらついた塊根が土から半分顔を出し、頂点から細い蔓が伸びて小さな緑の葉をつけている
AIで生成したイメージです
この記事の結論

火星人(フォッケア・エデュリス)は南アフリカ生まれの夏型の塊根植物です。日差しにも寒さにも塊根植物としては強い部類で、春から秋は屋外の日なた、土が中まで乾いたらたっぷりという素直な育て方で育ちます。いちばん迷うのは塊根を埋めるか出すかで、自生地では地中にあり、埋めるほど早く太り、出すほど肌が締まって姿が見えます。冬は8〜10℃を目安に、落葉したら断水、葉が残っていれば月に1〜2回。

火星人(Fockea edulis/フォッケア・エデュリス)は、灰白色のごつごつした塊根から細い蔓を何本も伸ばす、南アフリカ生まれの塊根植物です。育て方そのものは塊根植物のなかでは素直なほうで、つまずきやすいのはむしろ「塊根をどこまで土から出すか」と「冬に葉が落ちたあとの水」の2点に集まります。この記事では、置き場所と水やりから、埋めるか出すかの考え方、塊根が太らないときの見直し方、蔓の仕立て、冬越し、増やし方、迎えるときに見るところまでを順に並べます。塊根植物というくくり全体の考え方は塊根植物・コーデックス入門にまとめています。

火星人(フォッケア・エデュリス)とは|名前の由来と、本来は土の中にある塊根

フォッケア・エデュリスはキョウチクトウ科(かつてのガガイモ科)フォッケア属の植物で、南アフリカを中心とした南部アフリカの乾いた土地に自生します。「火星人」は日本の園芸での通称で、灰白色のいびつな塊から細い手足のような蔓が何本も伸びる姿から付いた名前です。学名のほうは属名が採集者の名にちなみ、種小名 edulis は「食用の」を意味します。現地ではこの塊根が加熱して食べられてきた記録があり、名前はそこから来ています。

ただし、園芸で育てる株を口に入れるものではありません。この仲間は傷つけると白い乳液を出し、それ自体は有毒とされています。剪定や植え替えで乳液が付いたら拭き取って手を洗う、という付き合い方で十分です。

自生地では、塊根の大半が地面の下にあります。 地表に出ているのは頂点のわずかな部分と、そこから伸びる蔓だけ。乾いた土地で水を守り、草食動物からも身を隠すかたちです。年月をかけると直径30〜60cmに達することもあり、園芸店で見かける握りこぶし大の株は、まだ入口にあたります。この「本来は埋まっている」という一点が、あとで出てくる植え方の判断にそのままつながります。

生育型は夏型で、よく育つのは気温20〜25℃のころ。雌雄が別の株に分かれる雌雄異株で、夏に小さな緑色の花を咲かせますが、1株だけでは種が採れません。流通の中心はFockea edulisで、ラベルには「フォッケア・エデュリス」「エドゥリス」「フォッケア 火星人」など表記の揺れがありますが、どれも同じ植物です。ほかに葉の縁が波打つクリスパ(F. crispa。現在はカペンシス F. capensis の異名として扱われることが多い)なども見かけ、こちらは育ちがゆっくりで、育て方の基本は火星人と同じです。

日本の鉢植えでの一年は、おおよそ次のように進みます。

  • 春(4〜5月):塊根の頂点や蔓の節から新芽が動きはじめ、水を再開する。
  • 夏(6〜9月):蔓を伸ばして葉を広げる、いちばん育つ時期。水も光もよく使う。
  • 秋(10〜11月):気温が15℃を切りはじめると動きが鈍る。水を減らしていく。
  • 冬(12〜3月):置き場所の温度しだいで、葉を落として休むか、葉を残したまま静かに過ごす。

置き場所|一年を通して明るく、風の通る場所に

火星人は光をよく使う植物です。春から秋は屋外の日なたが基本で、同じ棚に並ぶステファニアのように直射で葉が焼ける心配はほとんどありません。パキポディウムやアデニウムと同じ、日を浴びて育つ側の植物です。

室内で育てる場合は、南向きか東向きの窓辺で、できるだけ長く光が入る場所に置きます。光が足りないと、蔓が細く間延びして葉と葉の間隔が開き、葉そのものも薄く色が淡くなります。塊根も太りません。屋外に出せない環境なら、植物用のライトを足すと姿が締まります。

  • 春・秋:屋外の日なた。雨に長く当て続けない場所を選びます。
  • 真夏:直射そのものより、鉢の中が高温になることのほうが負担になります。地面に直置きせず棚に上げ、風の通る場所へ。西日が強く当たる場所なら、午後だけ日陰になる位置が楽です。
  • 冬:室内の明るい窓辺へ。落葉した株は光をほとんど使わないので、温度の安定を優先します。
  • 屋外に出しはじめるとき:室内で冬を越した葉は日差しに慣れていないので、数日かけて半日陰から段階的に移します。

風通しも一緒に見ておきます。蔓が茂ると株元に空気がこもり、ハダニやカイガラムシが増えやすくなります。鉢と鉢の間隔を空けるか、サーキュレーターで空気を動かしておくと落ち着きます。

水やり|葉があるあいだと、葉を落としたあと

水やりの基本は、土が中まで乾いてから、鉢底から流れ出るまでたっぷり。塊根に水を蓄えている植物なので、少量を毎日与えるより、乾かしてから一気に与えるほうが根が健やかに保てます。

  1. 春(4〜5月):新芽が動きはじめたら再開します。最初の1〜2回は土が軽く湿る程度にとどめ、葉が数枚開いてから通常量に移します。
  2. 生育期(6〜9月):土が乾いたらたっぷり。蔓と葉の量が多いほど水を使うので、よく茂った株を屋外に置いていれば2〜3日に1回のペースになることもあります。鉢の中が乾いていれば、真夏に毎日与えても問題ありません。受け皿の水は捨てます。
  3. 秋(10〜11月):最低気温が15℃を切りはじめたら、間隔を少しずつ伸ばします。気温が下がった土は乾きが遅く、夏の調子のまま与え続けると根が傷みます。
  4. 冬(12〜3月):葉が落ちたら断水。葉が残っている株は、月に1〜2回、表面が湿る程度を与えます(判断の分かれ目は後半の冬越しの節で)。

乾いたかどうかは、鉢を持ち上げたときの軽さか、鉢の縁から挿した竹串の湿り気で分かります。この確かめ方は塊根植物に共通なので、詳しくはオベサの水やりにまとめた手順がそのまま使えます。ほかの塊根植物と並べたときの間隔の違いは塊根植物の水やりで表にしています。迷ったときは待つほうが安全で、乾きすぎで急に枯れることはまずありません。

肥料は生育期の前半に、緩効性の置き肥を規定量だけ。液体肥料を使うなら、規定よりも薄めたものを生育期に月2回ほどで十分です。置き肥と液肥を重ねる必要はなく、秋以降はどちらも足しません。葉を茂らせるより塊根を太らせたい植物なので、窒素の多い肥料を続けるより、光と水を十分に取ることのほうが効きます。

塊根を埋めるか、出すか|太らせたいときと、姿を見せたいとき

火星人でいちばん相談が多いのがここです。園芸店では塊根を土の上に出した姿で売られていることが多く、それがこの植物の顔として定着しています。いっぽうで自生地では地中にある。どちらも間違いではなく、何を優先するかで答えが変わります。

埋めて育てる出して育てる
太り方速い。根が全面から水と養分を取れるゆるやか
肌白っぽく、なめらかで張りが出る日に当たって締まり、色が濃く皺が入る
乾き遅い。水やりは控えめに速い。乾きの読みがしやすい
姿蔓と葉だけが見える塊根そのものが主役になる

はじめの数年は埋めて太らせ、植え替えのたびに少しずつ持ち上げていく、という進め方がよく取られます。年に数センチずつ肩を出していくと、塊根が急に日に当たって傷むこともなく、太さと肌の締まりの両方が手に入ります。すでに十分な大きさで迎えた株なら、最初から出した姿で楽しんで差し支えありません。

用土と鉢

用土は水はけを最優先にします。市販の多肉植物・サボテン用の土に軽石を足すだけでも育ちます。自分で配合するなら、赤玉土小粒を3〜4割、日向土や軽石を4〜5割、残りを鹿沼土やくん炭にして、有機質はごく少量に。用土の考え方は用土と鉢の選び方にまとめています。

鉢は、埋めて太らせたいなら深めで一回り大きいもの、出して姿を見せたいなら浅めのものが合います。素焼き鉢やスリット鉢のように通気のよいものが安全です。

植え替え

1〜2年に1回、気温が上がりはじめる4〜5月に行います。古い土を落とし、傷んだ根だけを取り除いて、乾いた新しい用土へ。植え付けたあと1週間ほどは水を与えず、切った面を乾かしてから水やりを始めます。鉢底から根が出ている、水がしみ込みにくくなった、塊根が鉢の縁に当たっている、といった様子が見えたら、時期を待って一回り大きな鉢へ移す合図です。夏型の塊根植物に共通する時期の見極め方は塊根植物の植え替え時期にまとめています。

塊根を丸く太らせるために、植え替えのときに主根の先を詰める仕立て方も知られています。ただし切り口から傷みやすく、失敗すると塊根ごと腐ります。植え替えそのものに慣れてから、余裕のある株で試す範囲のものです。

深めの素焼き鉢に、灰白色の塊根を大部分が土に埋まるように植え付けている手元 埋めて育てると太りが速くなり、乾きは遅くなります。水やりの間隔もそれに合わせて空けます。(AIで生成したイメージです)

蔓の仕立て|伸ばした葉の数が、そのまま塊根の太さになる

生育期の蔓は勢いよく伸び、条件がよければ一夏で数メートルに達します。動き出してから慌てると、隣の鉢や窓枠に絡んでほどけなくなるので、春に芽が見えた時点で輪にした針金やリング支柱、小さなトレリスを鉢に挿しておくと、あとの姿が整います。誘引は、蔓が自分で巻いている向きに沿わせるのが基本です。反対向きに巻き直すと、ほどけたり途中で折れたりします。

剪定について押さえておきたいのは、蔓を切るほど塊根の太りは鈍るということです。葉は塊根を太らせるための工場なので、伸ばした蔓と葉の量が、そのまま秋までの太り幅になります。姿を整えるために切るのは自由ですが、その年の成長とは引き換えになります。

そこで、年ごとに方針を決めてしまうのが分かりやすい方法です。

  • 太らせたい年:支柱を高めにして伸びるにまかせ、切らずに秋まで回します。
  • 姿を落ち着かせたい年:伸びた先端を生育期の前半(6〜7月)までに詰めます。切った節の下から新しい蔓が出て、密な姿になります。

秋も深まってからの剪定は避けます。枯れ上がる途中の蔓は、まだ塊根へ養分を戻している最中で、早く切るとその分が戻りません。蔓が茶色くなりきってから根元で切るほうが、翌春の動きが良くなります。

切り口からは白い乳液が出ます。しばらくすると止まるので、乾いた布で拭き取り、手についたら洗い流します。作業のあいだは目をこすらない、それだけで十分です。

細い蔓を輪状の針金支柱に誘引した火星人。小さな濃緑の葉が蔓に沿って並んでいる 蔓が動き出す前に支柱を挿しておくと、伸びるにつれて自然に収まります。(AIで生成したイメージです)

塊根が太らない・へこむとき|見直すところ

「何年育てても塊根の大きさが変わらない」という声は、火星人でとくに多い相談です。太りは生育期にどれだけ葉を働かせたかの積み重ねなので、原因はたいてい次のどれかに当てはまります。

  1. 光が足りていない:室内の窓辺だけで夏を越すと、蔓は伸びても塊根はほとんど太りません。春から秋は屋外の日なたへ。
  2. 生育期の蔓を切っている:姿を整えるための剪定は、その年の太りと引き換えです(前の節を参照)。
  3. 鉢が小さい・根が詰まっている:根が回りきった鉢では、水も養分も入っていきません。1〜2年ごとの植え替えで根の場所を確保します。
  4. 塊根を高く出している:出した株は肌が締まるかわりに太りはゆるやかです。太らせたい時期は埋め戻すのも一つの方法です。
  5. 生育期の水が控えめすぎる:冬の感覚のまま夏も乾かし気味にしていると、葉を十分に働かせられません。乾いたらたっぷり、を夏はためらわずに。

もうひとつ多いのが、塊根がへこむ・しわが寄るという変化です。同じへこみでも、原因が水不足か腐りかで手当てが逆になるので、まず次の表で見分けます。

見るところ水不足のとき腐りはじめのとき
塊根の硬さ押しても硬い柔らかく、指が沈む
葉しおれて垂れる黄色くなって落ちる
鉢の重さ軽い重いまま
手当て鉢底から流れるまで水を与える水を止め、鉢から出して傷んだ部分を確かめる

冬の休眠中にゆるくしわが寄るのは、蓄えを使っているだけなので、硬ければ心配はいりません。

塊根植物の全体像もあわせて幹や根が膨らむ植物がどんなグループに分かれ、なぜ姿が似るのか。火星人が「日を好み、寒さにも比較的強い塊根植物」である理由も、この視点で見るとつながります。
塊根植物・コーデックス入門を見る →

冬越し|落葉させるかどうかは、置き場所の温度で決まる

火星人は本来は常緑で、暖かい場所では冬も葉を付けたまま過ごします。日本の室内で葉が落ちるのは、温度が足りずに休眠に入るためです。つまり落葉するかしないかは株の個性ではなく、置き場所の温度で決まります。どちらでも枯れるわけではなく、その後の水やりが変わるだけです。

最低温度の目安は8〜10℃。塊根植物としては寒さに強い部類で、無加温の温室で5℃近くまで下がっても越冬したという栽培者の記録もありますが、余裕をみて8℃を下回らない場所に置くと安心です。種類ごとの最低温度の目安を並べて見たいときは塊根植物の冬越しが参考になります。

  • 葉が落ちた株:断水します。光もほとんど要らないので、温度の安定する場所を優先します。塊根が硬ければ、葉がなくても何も起きていません。
  • 葉が残った株:明るい窓辺に置き、月に1〜2回、土の表面が湿る程度を与えます。完全に断水すると、働いている葉を維持できずに傷みます。

置き場所で気をつけたいのは、窓ガラスのすぐそばが夜間に室温より数℃低くなることです。日中は窓辺、夜は部屋の内側へ寄せるか、厚手のカーテンを一枚引くだけでも違います。暖房の温風が直接当たる場所は、葉も土も一気に乾くので外します。

春は、最低気温が15℃を安定して超えたころに少量の水やりから再開し、20℃を超えたら通常のペースへ。新芽は塊根の頂点から出ることも、前年の蔓の節から出ることもあります。動き出しは4月のこともあれば5月末のこともあり、硬さと重さが保たれているうちは待って構いません。

増やし方|種から育てるか、蔓を挿して増やすか

火星人の増やし方は、種まきと挿し木の2通りです。ただし、できる株の姿がまったく違うので、何を目当てに増やすのかを先に決めておきます。

種から育てる(実生):丸い塊根ができるのはこの方法だけです。雌雄異株のため、種を採るには雄株と雌株の両方を同じ時期に咲かせる必要があり、1株だけでは結実しません。手に入れた種をまくなら、気温が20〜25℃に安定する5〜6月ごろが合います。

  1. 水はけのよい細かめの用土を浅い鉢に入れ、あらかじめ湿らせておく。
  2. 種を重ならないように並べ、ごく薄く土をかぶせる。
  3. 鉢ごと浅い水に浸ける腰水で、土の表面を乾かさないようにして明るい日陰に置く。
  4. 芽がそろったら腰水をやめ、少しずつ光に慣らしていく。

芽生えたばかりの苗にも小さな塊根の芽ができはじめ、最初の冬は葉を残せる暖かい場所で過ごさせると、その後の育ちが安定します。

蔓を挿して増やす(挿し木):生育期の6〜7月に、元気な蔓を節が2〜3つ付くように切り、切り口の乳液を水で流して半日ほど乾かしてから、湿らせた用土に挿します。根が出るまでは明るい日陰で、土を乾かしすぎないように管理します。発根はそれほど確実ではなく、根付いても塊根は太りません。蔓と葉を楽しむ鉢として、剪定で出た蔓を活かす方法と考えておくと気が楽です。

火星人の蔓を節が付くように切り分け、小さな素焼き鉢と用土のそばに並べている手元 挿し木で根付いた株は蔓と葉を楽しむ鉢になり、丸い塊根はできません。(AIで生成したイメージです)

迎えるときに見るところと、調子を崩したときのサイン

前の節のとおり、挿し木では塊根が肥大しません。店頭に並ぶ塊根付きの株は基本的に種から育てた実生です。輸入された現地球と、国内で種から育てられた実生株の違いは実生株と現地球(輸入株)の違いに、大きさや育ち方で値段がどう変わるかは塊根植物の値段の目安にまとめています。

選ぶときに見るところは、次のあたりです。

  • 硬さ:塊根全体が硬く締まっているもの。指が沈む場所があれば避けます。
  • 重さ:大きさのわりに重いもの。軽すぎるのは中が乾いています。
  • 肌:大きな傷やえぐれ、黒ずみ、カビがないもの。細かい皺は問題ありません。
  • 蔓の付け根:頂点の付け根がぐらつかず、しっかり繋がっているもの。
  • 葉:色が濃く、間隔が詰まっているもの。間延びした株は光の足りない環境で育っています。

調子の変化は、葉と塊根の硬さに出ます。

  • 秋に葉が黄ばんで落ちる:気温が下がったことによる正常な休眠入りです。水を減らし、蔓が枯れきってから切ります。
  • 生育期に葉が黄色くなって落ちる:水切れか、逆に多すぎか。鉢の重さで見分けます。軽ければ水を、重いままなら乾くまで待ちます。
  • 蔓が細長く伸び、葉の間隔が開く:光が足りていません。明るい場所へ寄せます。
  • 塊根が柔らかい、押すとへこむ、黒ずむ:腐りです。低温と過湿が重なったときに起きます。水を止めて鉢から出し、柔らかい部分を硬い組織が出るまで削って数日乾かし、乾いた用土に置き直します。
  • 冬に塊根が少し痩せ、皺が寄る:蓄えを使っているだけで、硬ければ正常です。春に水を戻せば張りも戻ります。
  • 葉が白っぽくかすれる、葉裏に細かい点:ハダニ。乾いた高温で増えるので、葉裏にも水をかけ、風を通します。
  • 葉の付け根や蔓の節に白い粉状のかたまり:カイガラムシの類。数が少ないうちに綿棒などで取り除きます。
  • 春になっても動かない:硬くて重いうちは待ちます。15℃を超えたら少量の水を与えて様子を見ます。

どのサインも、光・水・温度のどれかが偏ったときに出ます。火星人は塊根に蓄えがあるぶん、多少崩れても立て直しが利く植物です。焦って掘り返さず、硬さと重さを確かめながら戻していくのが、この植物との付き合い方になります。

縁側では、ユーフォルビアのオベサ鉄甲を中心に、個体ごとの姿を紹介していく予定です(個体販売は準備中)。はじめの入荷は入荷通知に登録いただいた方から先にお知らせします。同じく蔓を伸ばして冬に休む亀甲竜(ディオスコレア・エレファンティペス)や、直射を嫌う側の代表であるステファニア、根が出るまでを待つオペルクリカリア・パキプスもあわせてどうぞ。

よくある質問

塊根は土から出したほうがよいですか?

どちらでも育ちます。自生地では塊根の大半が地中にあるので、埋めて育てるほうが根が全面から水と養分を取れて太りが速く、肌も白くなめらかに保たれます。出して育てると太りはゆるやかになりますが、日に当たって肌が締まり、色が濃く皺の入った表情になります。はじめの数年は埋めて太らせ、植え替えのたびに少しずつ肩を出していくと、太さと肌の締まりの両方が手に入ります。埋めた株は乾きが遅くなるので、水やりの間隔はそのぶん空けます。

冬に葉が全部落ちました。枯れているのでしょうか?

低温で休眠に入っただけで、多くの場合は問題ありません。火星人は本来は常緑ですが、8〜10℃前後まで下がる場所では葉を落として休みます。確かめ方は塊根の硬さと重さで、指で押して硬く締まり、持ったときに大きさのわりに重ければ生きています。落葉した株は断水し、光より温度の安定する場所に置いて春を待ちます。最低気温が15℃を安定して超えたころに少量の水やりから再開すると、頂点や前年の蔓の節から新芽が動きはじめます。

フォッケア・エデュリスと火星人は同じ植物ですか?

同じ植物です。火星人は日本の園芸での通称で、学名が *Fockea edulis*(フォッケア・エデュリス)です。ラベルによっては「エドゥリス」と書かれていたり、かつての分類で「ガガイモ科」と紹介されていたりしますが、指している植物は変わりません。葉の縁が波打つクリスパなど同じフォッケア属の別種もあり、こちらは育ちがゆっくりですが、置き場所・水やり・冬越しの考え方は共通です。

挿し木で増やした株も、丸い塊根になりますか?

なりません。挿し木で根付いた株は蔓と葉を伸ばして育ちますが、あの丸い塊根は種から育った株にだけできます。塊根のある姿を楽しみたいなら実生株を迎えるか、種から育てることになります。剪定で出た蔓を挿して、蔓ものの鉢として楽しむ分には十分に育ちます。

塊根を早く太らせるにはどうすればよいですか?

生育期にどれだけ葉を働かせたかが、そのまま太さになります。春から秋は屋外の日なたに置き、土が中まで乾いたらたっぷり水を与え、蔓を切らずに伸ばすのが基本です。加えて塊根を土に埋めて育てると、根が全面から吸えるぶん太りが速くなります。逆に、光の足りない室内で蔓が間延びしていたり、姿を整えるために生育期の蔓をこまめに切っていたりすると、その年の太りはほとんど進みません。肥料を増やすより、光と水と葉の量を揃えるほうが効きます。

縁
縁側 編集部オベサ鉄甲を中心に、塊根植物とユーフォルビアの育て方と選び方を、静かに言葉にしています。

入荷のお知らせと育て方の便りを、月に二度。

個体販売は準備中です。はじめの入荷は、登録いただいた方から先にお知らせします。