育て方

コミフォラ・モンストローサの育て方|垂れる枝の置き方、季節の水やり、寒さに弱い冬の越し方

木の縁側の端に置いた素焼き鉢のコミフォラ・モンストローサ。細い灰褐色の幹から、小さな羽状の葉をつけた枝がジグザグに折れながら長く垂れ下がり、縁側の外へこぼれている
AIで生成したイメージです
この記事の結論

コミフォラ・モンストローサは、マダガスカル南西部の乾いた海岸近くに育つ夏型の塊根植物で、細い枝がジグザグに折れながら長く垂れ下がる姿が持ち味です。春から秋はよく日の当たる風通しのよい場所で、葉が出ているあいだは乾いたらたっぷり与えます。秋に葉が落ちたら水をごく控えめにし、寒さに弱いぶん、冬はほかのコミフォラより暖かく、最低でも10℃、できれば15℃前後を保つと安心です。成長はゆっくりなので、枝は伸びた分を見ながら生育期に少しずつ整えます。

コミフォラ・モンストローサは、細い幹の先から、節ごとに向きを変える枝をジグザグに伸ばし、やがて鉢の縁より下まで垂れ下がらせる塊根植物です。売り場では「モンストローサ」「モンストルオサ」と表記が分かれますが、同じ植物を指しています。育て方の骨組みは夏型の塊根植物と同じで、そこに垂れる枝の扱いと寒さへの弱さという、この種類ならではの事情が重なります。この記事では、そのふたつを中心に、1年の流れに沿ってまとめました。塊根植物というくくり全体の話は塊根植物(コーデックス)とはにあります。

コミフォラ・モンストローサはどんな植物か

コミフォラは、アフリカ東部やマダガスカル、アラビア半島などの乾いた土地に育つカンラン科の仲間です。モンストローサはそのうちマダガスカル南西部の海岸沿い、石灰岩の荒れ地や乾いた林に自生する種類で、自生地では人の背丈を超える低木になります。

鉢で育てる姿の特徴は、次の3つです。

  • ジグザグに折れて垂れる枝:枝は節ごとに角度を変えながら伸び、長くなると自分の重さで下へ垂れていきます。つる植物のように見えるほど長く伸びることもあります。
  • イボのある灰褐色の樹皮:幹と枝は灰褐色で、年を重ねると赤みを帯び、小さなイボ状の突起が目立ってきます。紙のように薄く剥がれる樹皮が目立つカタフなどとは、表情が違います。
  • 成長がとてもゆっくり:太さも枝ぶりも、1年でがらりと変わることはありません。小さめの株を長く手元で仕立てていく楽しみ方に向いています。

灰褐色で小さなイボ状の突起がある細い枝が、節ごとに角度を変えてジグザグに伸び、節から小さな羽状の若葉が出ているコミフォラ・モンストローサの枝 節ごとに向きを変える枝と、イボのある樹皮がモンストローサの見どころです。(AIで生成したイメージです)

同じコミフォラでも、育て方の差がいちばん出るのは寒さへの強さです。よく名前を見かける種類と並べると、次のようになります。

種類主な産地姿の特徴冬の置き方の目安
モンストローサマダガスカル南西部ジグザグに垂れる枝、イボのある樹皮寒さに弱い。15℃前後あると安心
オルビクラリスマダガスカル丸みのある小さな葉、詰まった枝10℃以上を目安に
カタフ東アフリカ〜アラビア半島紙のように剥がれる樹皮10℃以上を目安に
エイルソマリア(産地名で呼ばれる株)太い幹と短い枝10℃以上を目安に

どれも夏に育ち、冬は葉を落として休む夏型です。モンストローサはこの中でも寒さに弱い側にいるので、ほかのコミフォラと同じ棚で冬を越すなら、いちばん暖かい場所をモンストローサに譲るくらいの考え方がちょうどよくなります。

1年の管理の早見

モンストローサは、暖かくなってから芽を動かし、秋の冷え込みとともに葉を落とします。季節ごとの過ごし方をまとめると、次のとおりです。

時期株の様子置き場所水
春(4〜5月)枝の節から芽が動きはじめる最低気温が15℃を超えたら屋外の日なたへ芽が動いてから少量ずつ再開
初夏〜夏(6〜8月)葉が茂り、枝が伸びる屋外の直射日光と風の通る場所用土が乾いたらたっぷり
秋(9〜10月)葉が黄ばみ、落ちはじめる日なたのまま。夜が15℃を下回ったら室内へ葉の減りに合わせて間隔をあける
冬(11〜3月)葉を落として休む室内の明るい窓辺、10〜15℃以上ごく控えめ(下の節を参照)

月はあくまで目安で、住んでいる地域の気温で前後します。迷ったときは枝に葉が出ているかどうかを基準にすると、水と置き場所の判断がそろいます。

置き場所|よく日に当て、垂れる枝の行き先をつくる

生育期のモンストローサは、直射日光がよく当たり、風の通る屋外がいちばん素直に育ちます。日が足りないと、もともと細い枝がさらに間延びし、節の間が開いたひょろりとした姿になります。梅雨どきは長雨の当たらない軒下へ移すと、用土が湿りっぱなしになるのを避けられます。

この種類で考えておきたいのは、伸びて垂れる枝の行き先です。棚の中段に置くと、垂れた枝が下の段の株や棚板に当たって折れたり、向きが偏ったりします。

  • 棚の端や台の上に置く:枝が下へ自由に垂れるので、ジグザグの線がいちばんきれいに見えます。
  • 背の高い鉢や鉢台で持ち上げる:低い鉢でも、台で高さを出せば枝が床に届きにくくなります。
  • ときどき鉢を回す:枝は日の当たる方へ伸びるので、2〜3週に一度向きを変えると、片側だけに垂れるのを防げます。

室内に飾る時期の置き方は塊根植物の飾り方にまとめています。冬の窓辺で光が足りない場合は、植物育成ライトの選び方が参考になります。

水やりと用土|葉が出ているかどうかで切り替える

モンストローサの水やりは、葉が出ているあいだはしっかり、葉がないあいだはごく控えめが軸です。

  • 生育期(葉が茂っているあいだ):用土が中まで乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。真夏は日中の暑い時間を避け、朝か夕方に。小さな株ほど乾きが早く、水を欲しがります。
  • 秋(葉が落ちはじめたら):葉が減るのに合わせて間隔をあけ、量も減らしていきます。
  • 冬(葉が落ちきったら):基本は乾かし気味にしながら、細い根まで枯らさないよう、月に1〜2回ほど、暖かい日の午前中に用土の表面が湿る程度だけ与えます。夜までに表面が乾くくらいの量にとどめます。
  • 春(芽が動いてから):枝の節に芽が見えたら、少量から再開し、葉が開くのに合わせて量と回数を戻します。芽が動く前にたっぷり与えると、根が吸いきれずに傷みやすくなります。

用土は、軽石や硬質赤玉土を主体にした水はけのよい配合が向きます。根が湿りっぱなしになるのを嫌うので、保水の強い土を多く混ぜないほうが安心です。肥料は、生育期に薄めた液体肥料をときどき与える程度で足ります。成長のゆっくりな種類なので、肥料を増やしても急に大きくはならず、枝が間延びする原因になりがちです。季節ごとの水の切り替えの考え方は塊根植物の水やり、配合は用土の選び方にあります。

冬越し|ほかのコミフォラより一段暖かく

モンストローサの冬で気をつけたいのは、寒さそのものと、低温の中で用土が湿っている状態の組み合わせです。

  • 取り込みは早めに:夜の最低気温が15℃を下回りはじめたら、室内へ取り込む準備をします。10℃を下回る夜に外へ出したままにしないのが目安です。
  • 最低10℃、できれば15℃前後:冬のあいだは、窓辺の夜の冷え込みも含めて10℃を切らない場所に置きます。余裕を持って15℃前後を保てると、春の芽吹きがそろいやすくなります。窓際は夜に外気と同じくらい冷えることがあるので、夜だけ部屋の内側へ寄せるのも手です。
  • 明るさと風を保つ:葉がなくても、日中によく光に当てて株の温度を上げておくと、寒さに耐えやすくなります。空気がゆるく動く場所に置くと、用土の湿りが長引きません。
  • 暖房の風を直接当てない:温風が直接当たると枝が乾きすぎるので、エアコンの吹き出し口の前は避けます。

冬の室内の置き場所や、種類ごとの最低温度の比べ方は塊根植物の冬越しにまとめました。冬の空気を動かす道具はサーキュレーターの選び方にあります。

枝の切り戻しと植え替え|どちらも暖かい時期に

枝の切り戻しは、葉が茂って株に勢いがある初夏〜夏に行います。モンストローサは成長がゆっくりなので、一度に大きく切ると元の姿に戻るまで時間がかかります。

  • 長く伸びすぎた枝は、垂れる長さを見ながら、節の少し上で切ります。切ったところの近くから新しい枝が出て、枝数が増えていきます。
  • 内側へ向かう枝や、ほかの枝と交差する枝から先に整えると、ジグザグの線が重ならずに見えます。
  • 切り口からは樹脂が出て、カンラン科らしい香りがします。清潔な刃物で切り、切り口は乾かしておきます。休眠中の冬に切ると、切った枝先から枯れ込みやすくなります。

切った枝のうち、張りのある健全なものは、乾きやすい用土に挿すと根が出ることがあります。根の出させ方の考え方はコミフォラの発根管理に詳しくまとめました。

植え替えは、芽が動いて気温が安定する5〜6月が向きます。成長がゆっくりなので、毎年ではなく、根が鉢に回ったり用土が崩れてきたりしたら、2〜3年に一度で十分です。古い用土を軽く落とし、傷んだ根を整えてから、ひと回り大きい程度の鉢に植えます。植え替え後は1週間ほど水を控え、明るい日陰で落ち着かせてから日なたへ戻します。時期の見極め方は塊根植物の植え替え時期にあります。

迎えた株に根がなければ根を切った状態で届いたコミフォラの見極め方、温度と水、芽吹きと発根の見分け方を順にまとめています。
コミフォラの発根管理を見る →

種から育ち、太くなる主根を持つ株から始めたい場合は、コミフォラの実生に、挿し木株・現地球との違いや苗の冬越しをまとめています。同じカンラン科で、乳香の木として知られる仲間についてはボスウェリアの育て方をどうぞ。

縁側では、塊根植物とあわせて、球形ユーフォルビアのオベサと鉄甲丸、その交配種であるオベサ鉄甲(愛好家のあいだでは「オベ鉄」)の個体ごとの姿を紹介していく予定です(個体販売は準備中)。はじめの入荷は入荷通知に登録いただいた方から先にお知らせします。

よくある質問

コミフォラ・モンストローサは何度まで耐えられますか?

冬の最低温度は10℃以上を目安にし、余裕を持たせるなら15℃前後を保つと安心です。同じコミフォラの中でも寒さに弱い側の種類なので、ほかの夏型の塊根植物と同じ感覚で外に出しておくと、枝先から傷むことがあります。夜の最低気温が15℃を下回りはじめたら、室内へ取り込む準備をします。

秋に葉が全部落ちました。枯れてしまったのでしょうか?

気温が下がる時期の落葉は、休眠に入る自然な動きです。枝に張りがあり、曲げたときに弾力があれば生きています。葉が落ちたあとは水をごく控えめにし、明るく暖かい場所で春を待ちます。枝が縦にしわを寄せてぽきっと折れる場合は、その枝は枯れているので、張りのあるところまで切り戻します。

枝が長く垂れすぎてきました。切ってもいいですか?

切って大丈夫です。葉が茂っている初夏〜夏に、節の少し上で切ると、近くから新しい枝が出て枝数が増えます。成長がゆっくりな種類なので、一度に全部を短くせず、長すぎる枝や交差する枝から少しずつ整えるのがおすすめです。冬の休眠中に切ると枝先から枯れ込みやすいので避けます。

縁
縁側 編集部オベサ鉄甲を中心に、塊根植物とユーフォルビアの育て方と選び方を、静かに言葉にしています。

入荷のお知らせと育て方の便りを、月に二度。

個体販売は準備中です。はじめの入荷は、登録いただいた方から先にお知らせします。