育て方

ボスウェリア・ネグレクタの育て方|置き場所、季節ごとの水やり、冬越しの温度

薄い樹皮が剥がれた太く低い幹から短い枝が横に広がり、枝先に細かい羽状の葉をつけたボスウェリア・ネグレクタの鉢植えが、縁側の板の上に置かれている
AIで生成したイメージです
この記事の結論

ボスウェリア・ネグレクタは、春から秋に育ち、冬は葉を落として休む夏型の塊根植物です。生育期はよく日に当てて風を通し、用土が乾いたらたっぷり与えます。秋に葉が落ちはじめたら水を減らし、冬は10〜15℃以上を保てる明るい室内で、ほぼ断水して休ませるのが基本です。寒さにとても弱く、育て方でいちばん差が出るのは冬の温度と水です。

ボスウェリア・ネグレクタは、東アフリカの乾いた土地に育つカンラン科の木で、紙のように剥がれる樹皮と、縁の縮れた小さな葉が並ぶ枝ぶりが好まれる塊根植物です。黒っぽい樹脂を出すことから「ブラックフランキンセンス」とも呼ばれます。この記事では、日々の置き場所と季節ごとの水やり、つまずきやすい冬越し、植え替えや枝の整え方までを、1年の流れに沿ってまとめます。塊根植物というくくり全体の話は塊根植物(コーデックス)とはにあります。

ボスウェリア・ネグレクタはどんな植物か|夏に育ち、寒さに弱い

ネグレクタは、ケニアやエチオピア、ソマリアなどの乾燥した低木林に自生する、夏に育つ(夏型の)植物です。同じボスウェリア属には、乳香の原料になるサクラ(乳香の木)などがあり、育て方の骨組みはほぼ共通しています。育てるうえで押さえておきたいのは、次の3つです。

  • 暖かい時期に一気に育つ:気温が上がると枝先から葉を広げ、塊根植物のなかでは生育の早いほうです。
  • 秋に葉を落として休む:気温が下がると葉が黄ばんで落ち、幹と枝だけの姿で冬を越します。落葉は休眠のしるしで、枯れたわけではありません。
  • 寒さにとても弱い:霜に当てられないのはもちろん、10℃を下回る日が続くと根や幹を傷めやすくなります。

灰褐色の短い枝の先に、縁が細かく波打った小さな小葉が並ぶ羽状の葉が集まってついている、ボスウェリア・ネグレクタの枝先 縁の縮れた小さな葉が、枝先に集まってつきます。(AIで生成したイメージです)

1年の流れをまとめると、おおよそ次のようになります。地域や置き場所で前後するので、月よりも気温と株の様子を目安にします。

時期株の様子置き場所水
4〜5月枝先の芽が動き、葉が出はじめる暖かい日から屋外へ慣らす葉が開いてから少しずつ
6〜9月葉を広げてよく育つ日当たりと風通しのよい屋外乾いたらたっぷり
10〜11月葉が黄ばんで落ちる最低気温15℃前後で室内へ間隔をあけて減らす
12〜3月落葉して休む10〜15℃以上の明るい室内ほぼ与えない

置き場所と日当たり|生育期は日なたと風

生育期のネグレクタは、よく日に当て、風を通すほど節の間が詰まり、枝が締まって育ちます。最低気温が15℃を超えるころからは、雨の当たりにくい屋外の日なたが向いています。光が足りないと枝がひょろりと伸び、葉の間隔があいて、ネグレクタらしい詰まった枝ぶりになりにくくなります。

  • 屋外に出すときは少しずつ:室内で冬を越した株をいきなり強い日差しに当てると、出たばかりの葉が焼けることがあります。数日かけて、半日陰から日なたへ移します。
  • 長雨は避ける:梅雨や秋の長雨で用土が乾かない日が続くと、根を傷める原因になります。軒下など、雨の当たりにくい場所が安心です。
  • 室内で育てるなら光と風を足す:窓辺だけでは光が足りないことが多いので、育成ライトとサーキュレーターを組み合わせます。選び方は植物育成ライトの選び方とサーキュレーターの選び方にあります。

水やり|季節ごとに与え方を切り替える

ネグレクタの水やりは、葉があるあいだはしっかり、葉がないあいだはほとんど与えない、という切り替えが軸です。葉の量が、水を吸う力の目安になります。

季節与え方の目安見るところ
春(芽吹き)葉が開いてから、乾いたら軽く枝先の葉が広がっていくか
夏(生育期)用土が乾いたら、鉢底から流れるまで乾くまでの日数。早ければ数日
秋(落葉期)間隔を少しずつあけて減らす葉の黄ばみと落ち方
冬(休眠期)ほぼ与えない。暖かい日に表面を湿らせる程度幹の張り・硬さ

夏は、乾いたらたっぷり与え、また乾かすのをくり返します。受け皿に水をためたままにしないことと、夕方以降の水やりで用土がひと晩じゅう湿ったままにならないようにすることが、根を健やかに保つ要点です。

春は、葉が出る前に水を急に増やさないのが大切です。枝先の芽は幹の蓄えでも動くので、芽が見えただけでは根がまだ水を吸いきれないことがあります。葉が開いてから、少しずつ量を戻していきます。塊根植物に共通する水やりの考え方は塊根植物の水やりにまとめています。

冬越し|10〜15℃以上の明るい室内で、乾かして休ませる

ネグレクタの育て方で、いちばん差が出るのが冬です。寒さに弱く、低温と用土の湿りが重なったときに根や幹を傷めやすくなります。

冬の明るい室内の窓辺に置かれた、葉をすべて落としたボスウェリア・ネグレクタの鉢植え。剥がれた樹皮の幹と枝だけになり、用土は乾いている 葉を落とした冬の姿。幹に張りがあれば、休んでいるだけです。(AIで生成したイメージです)

  • 室内に入れる時期:最低気温が15℃を下回りはじめたら、室内へ移す準備をします。遅くとも10℃を下回る前には取り込みます。
  • 冬の温度:最低でも10℃、できれば12〜15℃以上を保てる場所が目安です。窓辺は夜に冷え込みやすいので、夜だけ部屋の内側へ寄せると安心です。
  • 水:葉が落ちきったら、水はほぼ与えません。冬じゅう完全に乾かしきるのが不安な場合は、暖かい日の午前中に、用土の表面が湿る程度を月に1回ほどにとどめます。
  • 風:空気がよどむと用土の湿りが長引くので、ゆるく空気が動く場所に置きます。暖房の温風が直接当たる場所は避けます。

暖かい部屋で冬も葉が残っている株は、完全には休んでいない状態です。その場合は、乾いたら控えめに与える程度で様子を見ます。迎えて1年目の株や、発根して間もない株は根が浅く、冬の湿りにいっそう弱いので、温度に余裕を持たせます。冬の置き場所の考え方は塊根植物の冬越しにまとめました。

用土・植え替え・肥料・枝の整え方

用土は、軽石や硬質赤玉土を主体にした、水はけのよい配合が向いています。乾きやすい用土にしておくと、生育期にたっぷり与えても根が湿りっぱなしになりにくく、冬越しも楽になります。配合の考え方は用土の選び方にあります。

植え替えは、株がよく動きはじめる5〜6月が適期です。根が鉢に回っていたら、一回り大きい鉢へ移します。

  1. 植え替えの数日前から水を止め、用土を乾かしておく
  2. 鉢から抜いて古い用土を軽く落とし、黒く傷んだ根や枯れた根を切る
  3. 新しい乾いた用土に植え、数日〜1週間ほどおいてから水を与えはじめる

鉢を急に大きくしすぎると、用土が乾くまでに時間がかかり、冬に根を傷めやすくなります。手順の詳しいところは塊根植物の植え替えと同じです。

肥料は、生育期に薄めた液体肥料を月に1〜2回ほど、または植え替えのときに緩効性の肥料を少量入れる程度で十分です。秋に葉が落ちはじめたら止めます。

枝の整え方としては、伸びすぎた枝を生育期に切り戻すと、下の節から枝が分かれ、低く詰まった枝ぶりに近づきます。ネグレクタは切り口から樹脂がにじむことがあるので、清潔な刃物を使い、切ったあとは雨に当てないようにします。休眠中の冬に切るのは避け、葉が動いている時期に行います。姿の整え方は塊根植物の仕立て方も参考になります。

調子を崩したときのサインと、現地球・実生株の違い

様子考えられること手当て
夏なのに葉が黄ばんで落ちる水切れ・根詰まり、または根の傷み用土の乾き方と根の状態を確かめる
枝が間のびして葉がまばら光不足日なたへ。室内なら育成ライトを足す
冬に幹がしわしわになる乾かしすぎ、または根の傷み幹を押して硬さを確かめ、暖かい日に少量の水を
幹や根元が柔らかい低温と湿りによる傷み鉢から抜いて傷んだ部分を削り、乾かしてから植え直す
春になっても芽が動かない温度不足・消耗暖かい場所へ移し、水は芽が開くまで控える

冬の幹のしわは、多少なら休眠中によくある変化で、春に葉が開いて水を吸いはじめると戻ります。押して柔らかく沈む場合は傷みのサインなので、早めに確かめます。

売り場のネグレクタには、自生地から運ばれた現地球(輸入株)と、種から国内で育てられた実生株があります。現地球は太く低い幹と剥がれた樹皮の姿が魅力ですが、根を落とした状態で届く未発根の株は、まず根を出させる工程が必要です。その手順は塊根植物の発根管理に、同じカンラン科で進め方の近いコミフォラの例はコミフォラの発根管理にまとめています。根が張った状態で迎えたい場合や、種から育てる場合はボスウェリア・ネグレクタの実生が参考になります。札に書かれた「実生」「現地球」の意味は実生株と輸入株の違いで整理しています。

迎えたばかりの株なら、まず根の状態から未発根で届いた現地球の整え方、温度と水、発根の確かめ方を順にまとめています。
塊根植物の発根管理を見る →

縁側では、塊根植物とあわせて、球形ユーフォルビアのオベサと鉄甲丸、その交配種であるオベサ鉄甲(愛好家のあいだでは「オベ鉄」)の個体ごとの姿を紹介していく予定です(個体販売は準備中)。はじめの入荷は入荷通知に登録いただいた方から先にお知らせします。

よくある質問

ボスウェリア・ネグレクタは何℃まで耐えられますか?

霜には当てられず、冬は最低でも10℃、できれば12〜15℃以上を保てる場所が目安です。10℃を下回る日が続くと、用土が湿っている場合はとくに根や幹を傷めやすくなります。落葉して用土を乾かしてあれば多少の低温には持ちこたえやすいものの、余裕を持たせた温度で越させるほうが安心です。

冬は水を完全に切ってもいいですか?

葉が落ちきって根が張った株なら、冬はほぼ断水で休ませるのが基本です。乾かしきるのが不安な場合や、幹のしわが目立ってきた場合は、暖かい日の午前中に用土の表面が湿る程度を月に1回ほど与えます。種から育てたばかりの苗や発根して間もない株は、乾かしきらないほうが根が残ります。

春になっても葉が出ません。枯れていますか?

ネグレクタは気温が十分に上がってから芽を動かすので、春先はまだ動かないことがよくあります。幹を押して硬さがあり、枝に張りがあれば休んでいる状態です。暖かい場所に置き、葉が開くまでは水を急に増やさずに待ちます。幹が柔らかく沈む場合は傷みが疑われるので、根の状態を確かめます。

縁
縁側 編集部オベサ鉄甲を中心に、塊根植物とユーフォルビアの育て方と選び方を、静かに言葉にしています。

入荷のお知らせと育て方の便りを、月に二度。

個体販売は準備中です。はじめの入荷は、登録いただいた方から先にお知らせします。