育て方

モナデニウムの育て方|置き場所・水やり・冬越しと、ユーフォルビア属になった学名の話

木の縁側に置いた素焼き鉢のモナデニウム。こぶ状の突起が並ぶ緑の短い茎が何本も立ち上がり、茎の先に小さな葉と淡いピンクの花がついている
AIで生成したイメージです
この記事の結論

モナデニウムは東アフリカを中心に分布する夏型の多肉植物で、いまはユーフォルビア属の一グループ(モナデニウム節)として扱われています。春から秋は明るい半日陰で、土が乾いたらたっぷり水を与えます。寒さと冬の過湿が苦手なので、最低10℃を目安に室内へ取り込み、冬は水を控えめにします。

モナデニウムは、東アフリカを中心に分布するトウダイグサ科の多肉植物のグループです。こぶ状の突起が並ぶ短い茎、地中や株元でふくらむ塊根、茎の先に咲く小さな花など、種類によって姿に幅があり、塊根植物や多肉植物の棚でときどき見かける存在です。

園芸店ではいまも「モナデニウム」の名前で並びますが、学名のうえではユーフォルビア属に含まれるようになりました。この記事では、その名前の扱いを先に整理したうえで、置き場所、水やり、冬越し、用土と植え替え、挿し木での増やし方、調子を崩したときのサインまでを順にまとめます。塊根植物全体の考え方は塊根植物・コーデックス入門にあります。

モナデニウムとは|いまはユーフォルビア属の一グループ

モナデニウム(Monadenium)は、もともと独立した属として扱われてきました。2006年に、植物学者P. V. Bruyns らがDNAの解析をもとにユーフォルビア属を整理し直し、モナデニウムはユーフォルビア属の中の モナデニウム節(Euphorbia sect. Monadenium) としてまとめられました。近い仲間だったシナデニウム(Synadenium)やエンダデニウム(Endadenium)も、同じ節に含まれています。

属が変わったことで、学名も「Euphorbia +種小名」に置き換わりました。すでにユーフォルビア属に同じ種小名があった種は、重ならないように「neo-」などを付けた新しい名前になっています。よく出回る種類の対応は次のとおりです。

流通名(旧学名)現在の学名姿の特徴
リッチー(M. ritchiei)Euphorbia ritchieiこぶの並ぶ短い茎が群れて立つ
グエンテリ(M. guentheri)Euphorbia guentheri突起の並ぶ茎が横にも伸びる
マグニフィカム(M. magnificum)Euphorbia magnifica稜にとげが並ぶ、背の高くなる茎
シュベイ(M. schubei)Euphorbia schubeiこぶの並ぶ茎が立ち、株立ちになる
スタペリオイデス(M. stapelioides)Euphorbia neostapelioides株元がふくらみ、茎は低く這う

ラベルや図鑑で名前が違っても、同じ植物を指していることが多いので、旧学名と新しい学名の両方で調べると情報が見つけやすくなります。

名前の「mono(ひとつ)」と「aden(腺)」は、花のまわりの蜜腺が馬蹄形にひとつながりになっている特徴から来ています。ほかのユーフォルビアと同じく、傷をつけると白い樹液が出る点も共通です。

素焼き鉢に植えた3種類のモナデニウムの仲間。こぶの並ぶ短い茎が群れる株、とげの並ぶ茎に赤い花が咲く株、ふくらんだ株元から茎が這う株 同じモナデニウムの仲間でも、茎の形や株元のふくらみ方はさまざま。(AIで生成したイメージです)

ユーフォルビア属全体での姿の幅はユーフォルビアの種類に、属に共通する育て方はユーフォルビアの育て方にまとめています。

置き場所|明るい半日陰が基本、真夏の強光はやわらげる

モナデニウムの多くは、自生地で低木の陰や岩のすき間に育ちます。そのため、一日じゅう強い直射が当たる場所より、明るい半日陰のほうが姿よく育つ種類が多いグループです。

  • 春:最低気温が15℃前後を超えるようになったら屋外へ出します。室内で冬を越した株は、いきなり日なたへ出すと茎や葉が焼けやすいので、1〜2週間は日陰から慣らします。
  • 夏:午前中に日が当たり、午後は日陰になる場所が扱いやすいです。西日の強い場所では、遮光ネットで光を少しやわらげます。
  • 雨:長雨で土が乾かない状態が続くと根が傷みやすいので、梅雨や秋雨の時期は軒下へ寄せます。
  • 秋:最低気温が10℃を下回る前に室内へ取り込みます。

暗すぎる場所では、茎が細く間延びし、花も咲きにくくなります。室内で育てる場合は、南向きの窓辺のように明るい場所を選び、足りなければ育成ライトを足すと姿が締まります。

水やり|生育期は乾いたらたっぷり、冬は控えめに

モナデニウムは、暖かい季節に育つ夏型です。水やりは、季節と株の動きに合わせて切り替えます。

  1. 春(動き出し):新しい葉や茎の伸びが見えてから、少量ずつ再開します。
  2. 夏(生育期):土が中まで乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。受け皿にたまった水は捨てます。
  3. 秋:気温が下がるにつれて土の乾きが遅くなるので、間隔を少しずつ空けます。
  4. 冬(休眠期):葉を落とす種類が多く、根もほとんど水を吸いません。暖かい日の午前中に、土の表面が湿る程度の少量を月1〜2回与えるくらいに抑えます。

塊根をもつ種類(ルベルムやスタペリオイデスなど)は、冬の湿った土でとくに腐りやすい傾向があります。迷ったときは、鉢の軽さや挿した竹串の湿り気で、土が乾いているかを確かめてから与えます。季節ごとの目安はユーフォルビアの水やりと塊根植物の水やりにもまとめています。

肥料は生育期(5〜9月)に、薄めた液体肥料を月1〜2回ほど。冬は与えません。

冬越し|最低10℃を目安に、明るい室内で乾かし気味に

モナデニウムは熱帯アフリカの植物で、霜や凍結には耐えられません。冬は室内で管理します。

  • 温度:最低10℃前後を目安にします。乾かして管理していれば7℃前後まで耐える種類もありますが、低温と湿った土が重なると、茎や塊根が傷みやすくなります。
  • 光:葉を落とした株でも、日の当たる窓辺に置きます。日中に鉢が温まると、夜の冷え込みにも耐えやすくなります。
  • 窓辺の夜:窓ガラスの近くは夜に冷え込むので、寒い夜は部屋の内側へ寄せます。
  • 暖房:エアコンの温風が直接当たらない場所を選びます。

冬に葉が落ちても、茎を指で押して硬く締まっていれば休んでいるだけです。寒さに当たったときのサインと手当てはユーフォルビアの寒さに、種類ごとの冬の置き場所は塊根植物の冬越しにまとめています。

寒さに当たったかどうか、どこを見ればいい?ユーフォルビアの仲間が寒さで傷んだときに出るサインと、気づいたあとの手当てを、球形・柱状・低木のタイプ別にまとめています。
ユーフォルビアの寒さを見る →

用土と植え替え|水はけを優先し、暖かい時期に

用土は水はけと通気を優先します。赤玉土小粒を5割、軽石小粒を3割、日向土を2割ほどが一例です。有機質の多い土は乾きにくいので控えめにします。配合の考え方は用土の選び方に、鉢の素材と大きさは鉢の選び方にまとめています。

植え替えは2年に1回ほど、株が動き出した5〜6月に行います。

  1. 植え替えの1週間ほど前から水を控え、土を乾かしておく。
  2. 鉢から抜いて古い土を軽く落とし、黒く柔らかくなった根を取り除く。
  3. 乾いた新しい用土に植え付ける。塊根のある種類は、ふくらんだ部分を深く埋めすぎない。
  4. 植え付け後5日〜1週間ほどは水を控え、根の傷が乾いてから再開する。

地下茎で横に広がる種類は、年数とともに鉢いっぱいに茂ります。鉢が窮屈になったら、ひと回り大きな浅めの鉢へ移します。

増やし方|挿し木がいちばん手軽

モナデニウムは、茎を切って挿し木で増やすのがいちばん手軽です。適期は、気温が十分に上がった5〜7月です。

  1. 清潔なはさみで、元気な茎を数cmの長さで切り取る。
  2. 切り口から出る白い樹液を水で洗い流し、日陰で数日〜1週間ほど乾かす。
  3. 切り口が乾いて締まったら、乾いた用土に浅く挿す。
  4. 1週間ほどしてから少しずつ水を与えはじめ、新しい葉や伸びが見えたら根が出た合図。

切り口が乾ききらないうちに挿すと、根が出る前に腐りやすくなります。急がずに乾かすのがいちばんのこつです。挿し木の考え方はユーフォルビアの挿し木にもまとめています。

紙の上に置いて切り口を乾かしている、こぶの並ぶモナデニウムの茎。横に乾いた用土を入れた素焼き鉢と剪定ばさみ 切り取った茎は、切り口が乾いて締まるまで日陰で休ませてから挿す。(AIで生成したイメージです)

白い樹液の扱い

ユーフォルビアの仲間なので、茎を切ると白い樹液が出ます。肌に付くとかぶれることがあり、目に入ると強い刺激になります。剪定や挿し木の作業では手袋をし、終わったら手を洗います。小さな子どもやペットの手が届かない場所に置くと安心です。詳しくはユーフォルビアの樹液の扱いにまとめています。

調子を崩したときのサイン

不調の多くは「寒さ」「水の過不足」「光の過不足」から出ます。茎の硬さと鉢の重さを確かめると、見当がつきます。

  • 秋から冬に葉が落ちる:気温の低下による休眠入りです。水を減らし、明るい室内で春を待ちます。
  • 茎がしわしわになる:生育期なら水切れのことが多いです。鉢が軽ければ、たっぷり与えます。
  • 茎や塊根が柔らかい・黒ずむ:腐りのサインです。低温と湿った土が重なると起きやすくなります。水を止め、鉢から出して傷んだ部分を確かめます。腐った部分の見分け方と残し方はユーフォルビアの根腐れにあります。
  • 茎が茶色く焼けたように変色する:急に強い日差しに当てたときに起きやすい葉焼けです。半日陰へ戻して様子を見ます。
  • 茎が細長く伸びる:光が足りていません。より明るい場所へ移します。
  • 茎の付け根に白い綿のようなもの:カイガラムシの類です。少ないうちに綿棒などで取り除きます。

縁側では、球形ユーフォルビアのオベサ鉄甲(愛好家のあいだでは「オベ鉄」)を中心に、個体ごとの姿を紹介していく予定です(個体販売は準備中)。はじめの入荷は入荷通知に登録いただいた方から先にお知らせします。

よくある質問

モナデニウムとユーフォルビアは別の植物ですか?

現在は同じユーフォルビア属に含まれています。2006年の研究でユーフォルビア属が整理し直され、モナデニウムは属の中の「モナデニウム節」というグループになりました。園芸の流通では、いまも「モナデニウム」の名前がよく使われています。

モナデニウムは冬に何℃まで耐えられますか?

最低10℃前後を目安にすると安心です。乾かして管理していれば7℃前後まで耐える種類もありますが、霜や凍結には耐えられません。冬は明るい室内に置き、水を控えめにします。

日なたと日陰、どちらに置けばよいですか?

明るい半日陰が基本です。午前中に日が当たり、午後は日陰になる場所が扱いやすく、真夏の強い西日は遮光でやわらげます。暗すぎると茎が間延びするので、室内では窓辺の明るい場所を選びます。

挿し木はいつ、どうやって行いますか?

気温が十分に上がった5〜7月が適期です。茎を切り取って樹液を洗い流し、切り口を日陰で数日〜1週間ほど乾かしてから、乾いた用土に浅く挿します。水やりは挿してから1週間ほど待って、少しずつ始めます。

縁
縁側 編集部オベサ鉄甲を中心に、塊根植物とユーフォルビアの育て方と選び方を、静かに言葉にしています。

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