オベサとバリダの違い|見分け方の順番と、花柄のない株・幼苗の見分け方

オベサとバリダを分けるいちばん確かな手がかりは、咲き終わった花の柄が残るかどうかです。オベサは花柄が落ちて点の跡だけになり、頂部までなめらか。バリダは花柄が硬く木のように残り、年を追うごとに枝のように増えます。花柄が無い株や花が咲く前の幼苗は姿だけでは決めきれないので、切り跡・稜・伸び方を合わせて見て、最後は最初の花を待ちます。育て方はほぼ同じで、違うのは水のかけ方と花柄の扱い、寒さへの余裕の3点です。
オベサとバリダは、どちらも南アフリカ生まれの、縞の入った球形のユーフォルビアです。売り場で並んでいると見分けがつかないことがあり、札を外した株や、譲ってもらった株がどちらなのか迷う方も少なくありません。この記事では、どこから見れば早く確かに分かるかという順番で違いを整理し、花柄が無い株や幼苗のように手がかりが少ない場合の見方、育て方で変わるところまでをまとめました。オベサ全体の育て方はオベサの育て方に、バリダの育て方はユーフォルビア・バリダの育て方にまとめています。
いちばん確かな違いは「花柄が残るかどうか」
違いはいくつもありますが、決め手になるのはひとつです。咲き終わった花の柄(花柄)が、株に残るか落ちるか。
オベサの花は頂部に短い柄で咲き、咲き終わると柄ごと落ちて、肌には小さな点の跡だけが残ります。触っても指に引っかかるものはありません。バリダは花柄が長く伸び、咲き終わると硬く木質化して、そのまま株に残ります。年ごとに咲いた花の柄が積み重なり、先で枝分かれしながら、枯れた小枝が球体から生えているような姿になります。
ほかの違いは、この1点を補う手がかりとして見ると迷いません。
| 見るところ | オベサ | バリダ(万代) |
|---|---|---|
| 頂部 | なめらか。花の跡が点で残るだけ | 硬い花柄が立ち、年を追うごとに増える |
| 肌の手触り | つるりとして引っかかりがない | 花柄や切り跡に指が引っかかる |
| 稜(ヒダ) | 8本前後で浅め。ボールに近い | 8〜12本ほどで、谷が深めに出る |
| 縞 | 淡い縞。個体によって濃淡の幅が大きい | 紫褐色の横縞がくっきり出やすい |
| 育ち方 | 横にも太り、長く球形を保つ | 早めに縦へ伸び、短い円柱になる |
| 雌雄 | 雌雄異株 | 雌雄異株 |
稜の本数や縞の濃さは、どちらの種も個体差があり、光の量でも変わります。表の下の3行は「そういう傾向がある」程度に受け取り、判断は頂部から始めるのが確実です。
見分けるときの順番|頂部 → 手触り → 形
手元の株を見分けるときは、次の順で確かめると、たいていは最初の1〜2段で決まります。
真上から見ると違いがはっきりします。左がオベサ、右がバリダ。(AIで生成したイメージです)
- 頂部を真上から見る。 枯れた枝のようなものが立っていればバリダです。花柄は稜の上に並ぶように残り、古いものほど太く、先が二股に分かれていることがあります。何も立っていなければ次へ。
- 稜に沿って指でなぞる。 オベサは最後までなめらかです。バリダは花柄を切った株でも、付け根の硬い切り株に指が引っかかります。
- 横から形を見る。 高さが直径を明らかに上回る短い円柱ならバリダ寄り、ボールのような球形ならオベサ寄りです。ただしオベサも年を重ねると少し縦に伸び、光が足りない場所ではどちらも縦長になるので、形だけで決めることはしません。
- 縞と稜の深さを見る。 紫褐色の横縞がくっきりしていて谷が深ければバリダ寄り、縞が淡く稜が浅ければオベサ寄りです。これも補助の手がかりです。
1と2で答えが出ない株は、次の節の「手がかりが少ない株」にあたります。
花柄が無い株・幼苗の見分け方
売り場には、花柄をきれいに切りそろえたバリダや、まだ一度も咲いていない実生の幼苗も並びます。この2つは見分けが難しいところです。
花柄を切った株|付け根の切り株と跡の大きさ
バリダの花柄を付け根から切っても、ごく短い硬い切り株が稜の上に残ります。オベサの花の跡は、肌と同じ高さの小さな点で、盛り上がりはほとんどありません。稜の上に「点」が並んでいるか、「短い突起」が並んでいるかを、横から光を当てて見ると分かりやすくなります。
切り跡が見当たらないほど古い株でも、春から夏に新しい花が咲けば答えが出ます。咲き終わって数週間たっても柄が硬く残るならバリダ、柄ごと落ちるならオベサです。
幼苗|姿では決めきれない。札と最初の花で確かめる
花が咲く前の幼苗は、オベサもバリダもよく似た姿をしています。(AIで生成したイメージです)
花が咲く前の幼苗は、どちらも縞の淡い小さな緑の球で、稜の本数も縞も成長につれて変わります。この段階で姿だけから言い切るのは、慣れた人でも難しいところです。
- 札と出どころを確かめる:実生苗は、親株の名前が札にそのまま付いていることがほとんどです。購入した店や譲ってくれた人に、親株がどちらだったかを聞くのがいちばん早い方法です。
- 最初の花を待つ:実生の株は、育ち方にもよりますが数年で花が咲き始めます。最初の花のあと柄が残るかどうかで、はっきりします。
- 育て方は同じでかまわない:どちらか分からないあいだも、育て方はほぼ共通なので困ることはありません(後の節で違いをまとめています)。
なお、オベサとバリダは近い仲間で、種採りの場で花粉が混ざると、両方の特徴を少しずつ持った株が生まれることがあります。花柄が短く少しだけ残るなど、どちらとも言い切れない株に出会ったら、その可能性も頭に置いておくと納得しやすくなります。オベサの呼び名が多い理由はオベサの種類に、雌雄の見分け方はオベサの雌雄にまとめています。
名前がややこしいとき|万代・貴青玉・バリダ鉄甲
オベサとバリダの違いを調べていると、似た名前がいくつも出てきます。整理すると次のとおりです。
- 万代(ばんだい):バリダの和名です。同じ植物を指します。
- 貴青玉(きせいぎょく):Euphorbia meloformis の和名です。バリダをその亜種として扱う資料もあり、売り場ではどちらの札も見かけます。姿の特徴(残る花柄・くっきりした縞)はバリダと共通で、オベサとの見分け方も同じです。
- バリダ鉄甲:バリダと鉄甲丸を掛け合わせたとされる交配種です。詳しくはバリダ鉄甲にまとめています。
- オベサ鉄甲:オベサと鉄甲丸の交配種です(愛好家のあいだでは「オベ鉄」とも呼ばれます)。鉄甲丸ゆずりの肌や頭の葉が出るので、バリダとは別の見分け方になります。オベサ鉄甲と、鉄甲丸との違いはオベサと鉄甲丸の違いにまとめています。
名前の扱いは資料によって揺れがあるので、札の名前より、目の前の株の姿で見るほうが実際的です。
育て方で変わるのは3点だけ
どちらも球形の体に水をたくわえる春秋型のユーフォルビアで、育て方の軸は共通です。土が中まで乾いてから鉢底から流れるまで与える、よく日に当てる、冬は水を絞る。この3つはそのまま両方に使えます。与え方の詳しい目安はオベサの水やりに、冬の置き場所はオベサの冬越しにまとめています。
違いが出るのは次の3点です。
| 違いが出るところ | オベサ | バリダ |
|---|---|---|
| 水のかけ方 | 株元の土に注ぐ | 頂部に花柄が密集するので、上からかけず鉢の縁から注ぐ |
| 咲き終わった花柄 | 自然に落ちるので手入れは不要 | 姿の一部として残す。引き抜くと表皮が裂ける |
| 寒さへの余裕 | 最低気温10℃を切る頃に取り込み、5℃より下げない | 乾かしていれば3〜5℃前後まで耐えるとされる |
もうひとつ、光が足りないときの崩れ方にも差があります。どちらも頂部が細く伸びますが、もともと縦に伸びやすいバリダは、光不足のときに「とっくり」のような形になりやすく、縞もぼやけます。一度伸びた部分は戻らないので、置き場所の明るさは両方にとって水やり以上に大切です。伸び始めのサインと置き場所の見直し方はオベサの徒長にまとめています。
どちらを選ぶか|姿の好みで決めてかまわない
丈夫さはどちらも同じくらいで、育てやすさで選び分ける必要はほとんどありません。決め手は、どんな姿を眺めていたいかです。
- オベサ:まるいボールのような姿と、個体ごとに違う縞の出方を楽しむ種です。同じ種でも一株ずつ顔が違い、ずっとなめらかな姿を保ちます。
- バリダ:年ごとに咲いた花の柄が枝のように積み重なり、株が「歳月をまとっていく」のを楽しむ種です。縞もくっきり出るので、鉢一つでも存在感があります。
オベサの顔ぶれや似た仲間との線引きはオベサの種類、ユーフォルビア全体の見取り図はユーフォルビアの種類にまとめました。
縁側では、オベサと鉄甲丸を掛け合わせた「オベサ鉄甲」の個体を、1株ずつ姿を見て紹介していく予定です(個体販売は準備中)。はじめの入荷は入荷通知に登録いただいた方から先にお知らせします。
よくある質問
オベサとバリダ、いちばん簡単な見分け方は?
頂部を見て、枯れた枝のような花柄が残っているかどうかです。残っていればバリダ、なめらかで小さな点の跡しかなければオベサです。花柄を切ってある株でも、バリダは稜の上に短い硬い切り株が残るので、指でなぞると引っかかります。
バリダの花柄を全部切ったら、オベサと同じ見た目になりますか?
近づきはしますが、同じにはなりません。付け根に短い切り株が残り、稜の谷の深さや縞のくっきりした出方、縦に伸びる育ち方はそのままです。また、次の花が咲けばまた花柄が残ります。花柄はバリダの見どころなので、切らずに残すのが基本です。
オベサとバリダを同じ棚で一緒に育ててもいいですか?
問題ありません。水やり・日当たり・用土の考え方はほぼ同じなので、同じ棚で同じ周期で管理できます。バリダだけは頂部に水が残らないよう鉢の縁から注ぐことと、種を採る予定があるときは花粉が混ざらないよう、咲いている時期に筆を使い分けることを気にかけておくと安心です。
小さな苗のうちに見分ける方法はありますか?
花が咲く前の幼苗は、姿だけでは言い切れません。札の名前と、購入した店や譲ってくれた人に親株を聞くのがいちばん確かです。分からないままでも育て方は同じでかまわないので、最初の花が咲いて柄が残るかどうかで確かめます。