オベサの雌雄|オスとメスの見分け方、いつ分かるか、ペアのそろえ方

オベサは雌雄異株で、1株に咲く花はすべて同じ性別です。見分けられるのは花が咲いてからで、黄色い花粉をつけた雄しべが立てば雄株、先が3つに分かれた柱頭が出れば雌株。球の形や縞、大きさで見分ける確かな方法はありません。子株や挿し木で増やした株は親と同じ性別になるため、種を採りたいなら、咲いて性別の分かった株どうしをそろえるか、種から育った苗を数株まとめて育てるのが近道です。
オベサには雄株と雌株があります。種を採りたいと思ったとき、あるいは手元の株がどちらなのか気になったときに、最初にぶつかるのがこの問いです。この記事では、オベサがなぜ雌雄に分かれているのか、いつ・どこを見れば分かるのか、咲く前に知る方法はあるのか、そして種を採るためにペアをどうそろえるかを順にまとめます。花の咲く時期や咲かないときの確かめ方はオベサの花に、花粉の付け方から採種まではオベサの受粉にまとめています。
オベサは雌雄異株|1株に咲く花は、すべて同じ性別
オベサは**雌雄異株(しゆういしゅ)**の植物です。雄花だけをつける株と、雌花だけをつける株が別々にあり、ひとつの株に雄花と雌花が混ざって咲くことは基本的にありません。頂部の花をひとつ確かめれば、その株の性別はそれで決まります。
ユーフォルビアの花は、杯のような器の中に、ごく小さな雄花と雌花が同居するつくりが基本です。多くのユーフォルビアは1つの器の中で雄と雌がそろっていますが、オベサはこのどちらか一方だけを持つ株に分かれています。花のつくりそのものはユーフォルビアの花に詳しくまとめました。
雌雄が分かれていると、自分の花粉で種を結ぶことができません。種は必ず別の株どうしの掛け合わせから生まれるので、同じ親から採れた兄弟でも、縞の濃さや稜の数、球の丸みが1株ずつ違ってきます。種から育てたオベサに個体差が大きいのは、このしくみから来ています。
ごくまれに、1株に雄と雌の両方の花がつくという話を聞くことがあります。ただ、これは例外として語られるもので、手元の株に期待できるものではありません。**基本は「1株=どちらか一方」**と考えておくのが確かです。
オスとメスの見分け方|咲いた花の真ん中を見る
見分けは、花が開いてから真上から覗き込むだけで足ります。
左が雄株、右が雌株。花粉の房か、三つ又の柱頭かで見分けます。(AIで生成したイメージです)
| 雄株 | 雌株 | |
|---|---|---|
| 花の真ん中 | 黄色い花粉をつけた雄しべが房になって立つ | 先が3つに分かれた柱頭が1本突き出す |
| 遠目の印象 | 頂部が黄色く粉を吹いたように見える | 黄緑のまま、細い三つ又が並んで見える |
| 触れたとき | 指に黄色い粉が付く | 粉は付かない。先がわずかに粘る |
| 咲き終わり | 色あせて花柄ごと落ちる | 受粉すれば3つの部屋に分かれた丸い実がふくらむ |
迷いやすいのは、咲き始めと咲き終わりです。開いたばかりの雄花はまだ雄しべが立っておらず、花粉も見えません。反対に、雌花の柱頭は咲き終わりに近づくと茶色く縮み、形が分かりにくくなります。1輪で判断がつかないときは、数日おいて次の花が開くのを待てば、たいてい答えが出ます。オベサの花は頂部から順に開くので、夏のあいだに何度も確かめる機会があります。
花の直径は数ミリしかないので、スマートフォンのカメラで頂部を拡大して撮ると、肉眼より確実に見分けられます。触れて確かめる場合は、指の腹で軽く。オベサの白い樹液は皮膚や目に触れると刺激があるので、肌を傷つけたときは手を洗ってから他の作業に移ります。
性別が分かったら、その場でラベルに書き込んでおくのがおすすめです。咲くのは初夏から夏のあいだだけなので、秋になると「どれが雌だったか」を思い出せなくなります。ラベルに「雌・咲いた年」と書いておけば、翌年の組み合わせを決めるときにそのまま使えます。
咲く前に分かるか|形・縞・大きさでは見分けられない
いちばん多い疑問が、「咲く前に見分ける方法はないか」です。答えは、確かな方法はありません。
- 球の形:雌株のほうが丸い、雄株のほうが平たいといった話を見かけることがありますが、形は日当たりや年数、個体の性質で大きく変わるため、雌雄の目印にはなりません。
- 縞や色:縞の濃さや紫がかった色の出方にも、雌雄の差はありません。
- 稜の数・大きさ:稜の本数や球の大きさも、性別とは関係なく株ごとに違います。
つぼみの段階でも、まだ見分けはつきません。花が開いて、雄しべが立つか柱頭が出るかしてはじめて分かります。咲き始めるのは直径3cmほどの株からで、種から育てた場合は数年かかるのがふつうです。つまり、性別を知るには、咲くまで育てるしかないというのがこの植物の順序です。
ひとつだけ、咲く前でも性別が決まっている場合があります。子株や挿し木で増やした株です。球の脇から出る子株は、親株の体の一部が枝分かれしたもので、種から生まれた株とは違って親とまったく同じ性質を持ちます。親が雌なら子株も雌、親が雄なら子株も雄です。咲いて性別の分かった親株から外した子株であれば、咲く前から性別が分かっていることになります。
裏を返すと、1株から外した子株どうしは同じ性別なので、子株を育てて増やしても、そのままではペアになりません。子株の出方や外し方はオベサの種類の「仔吹き」の項に、外したあとの発根のさせ方はユーフォルビアの挿し木にまとめています。
種を採るにはペアが要る|何株そろえれば雄と雌がそろうか
雌雄異株なので、種を採るには咲いている雄株と雌株の両方が要ります。雌株だけを大事に育てても、1株では種はできません。開花そのものは雄株でも雌株でも1株で起こるので、「花は咲くのに実がつかない」というときは、まず相手がいるかどうかを確かめます。
咲く前の苗を買い足していくと、ここで思わぬ遠回りが起きます。種から育った苗の性別を、おおむね半々だと考えて計算してみると、全部が同じ性別になってしまう見込みは株数でこう変わります。
| 未開花の苗の数 | 全部が同じ性別になる見込み | 雄と雌がそろう見込み |
|---|---|---|
| 2株 | 2回に1回 | 2回に1回 |
| 3株 | 4回に1回 | 4回に3回 |
| 4株 | 8回に1回 | 8回に7回 |
| 5株 | 16回に1回 | 16回に15回 |
2株だけだと、咲くまで数年待った結果が同じ性別だった、ということが半分の確率で起こります。3〜5株をまとめて育てれば、そろわない見込みはぐっと下がります。「種を採りたいなら数株まとめて」と言われるのは、この計算が背景にあります。
種から育った苗を数株まとめて育て、咲いたものからラベルに性別を書き込んでいきます。(AIで生成したイメージです)
実際に流通している株の性別がどちらに偏っているかは、はっきりした数字がありません。「雄株ばかり咲く」という声もあれば「雌株が多かった」という声もあり、手元の数株では偏りのように見えても、たまたまということが十分にありえます。上の表は、あくまで半々と仮定したときの目安として使ってください。
ペアがそろったあとの花粉の付け方、咲く時期がずれたときの待ち方、弾ける前に種を受け止める方法はオベサの受粉に、採れた種のまき方はオベサの実生にまとめています。
ペアで迎えるには|咲いた株か、まとめて育てる苗か
種を採ることを見据えて株を迎えるなら、方法は大きく2つです。
1. 咲いて性別の分かった株を選ぶ。 一度咲いたことがある株なら、売り手が雄株・雌株を確かめていることがあります。そうした株をそろえれば、翌年の初夏から受粉を試せます。確かめるときは、「性別はどうやって確かめたか(実際に咲いた花を見たか)」を聞いておくと安心です。咲いていない株について性別を言い切っている場合は、形などからの推測である可能性があります。
2. 種から育った苗を数株まとめて育てる。 咲くまでに年数はかかりますが、上の表のとおり、3〜5株あれば雄と雌がそろう見込みは高くなります。種から育った株は1株ずつ顔が違うので、どの株が咲くか、どれとどれを掛け合わせるかを待つ時間も含めて楽しめます。
どちらの場合も、子株を外して増やした株どうしを「ペア」として迎えないことだけは気をつけます。同じ親から外した子株は、見た目が似ていても同じ性別です。種から育った株か、別々の親から来た株かを確かめておくと、この取り違えを避けられます。種から育った株と輸入株の違いは実生株と輸入株の違いに、迎え方の全体はオベサの買い方にまとめています。
鉄甲丸・オベサ鉄甲の雌雄
オベサの仲間では、鉄甲丸も雌雄異株です。見分け方はオベサと同じで、黄色い花粉をつけた雄しべが立てば雄株、3つに分かれた柱頭が出れば雌株。ただし鉄甲丸が咲くのは早春(2〜3月)で、初夏から夏に咲くオベサとは時期がずれます。
オベサ鉄甲(愛好家のあいだでは「オベ鉄」)は、オベサと鉄甲丸を掛け合わせた交配種です。両親とも雌雄が分かれているので、オベサ鉄甲も咲いてはじめて性別が分かるものとして扱います。咲く時期は両親の性質を受け継ぐぶん個体差があり、春寄りの株もあれば初夏寄りの株もあります。親2種の見分けどころはオベサと鉄甲丸の違いに、年間の管理はオベサの育て方にまとめました。
縁側では、オベサ鉄甲の個体を1株ずつ紹介していく予定です(個体販売は準備中)。はじめの入荷は入荷通知に登録いただいた方から先にお知らせします。
よくある質問
咲く前に雌雄を見分ける方法はありますか?
確かな方法はありません。球の形や縞の濃さ、稜の数、大きさには雌雄の差がなく、つぼみの段階でも見分けはつきません。花が開いて、黄色い花粉をつけた雄しべが立つか、先が3つに分かれた柱頭が出るかで判断します。例外は子株や挿し木で増やした株で、これは親と同じ性別になるので、親の性別が分かっていれば咲く前から分かります。
一度雄株だった株が、翌年雌株になることはありますか?
基本的にはありません。オベサの性別は株ごとに決まっていて、年によって入れ替わるものではありません。1株に雄と雌の両方の花がつく例がまれにあると言われますが、例外的なものです。一度咲いて性別が分かったら、ラベルに書いておけば翌年以降もそのまま使えます。
子株を外して育てれば、ペアを作れますか?
作れません。子株は親株の体が枝分かれしたもので、親とまったく同じ性質を持ちます。雌株から外した子株はすべて雌、雄株から外した子株はすべて雄です。ペアをそろえるには、性別の違う親から来た株か、種から育った株どうしを組み合わせます。
雌株だけでも実がつくことはありますか?
雄株の花粉が届かなければ、種の入った実はつきません。花が咲いたあと柱頭の下が少しふくらんでも、受粉していなければそのまま色あせて落ちます。屋外で近くに別の咲いているオベサの雄株があれば、虫が花粉を運んで実がつくことはありますが、確実に種を採りたいなら、筆や綿棒で自分で付けるほうが確かです。