実生

オベサの種の入手方法|自分で採るか、買うか。選ぶときに見るところと保存

縁側の板の上に置いたクラフト紙の小袋から、灰褐色の小さな丸い種が白い小皿にこぼれている。奥に素焼き鉢のオベサがぼんやり写っている
AIで生成したイメージです
この記事の結論

オベサの種を手に入れる道は、自分で採るか、人から譲ってもらうか、買うかの3つです。オベサは雌雄異株なので、自分で採るには咲いている雄株と雌株の2株が要ります。買う・譲ってもらうときに見るのは、採種の時期、親が何だったか、粒の状態の3つ。オベサの種は採りたてほどよく発芽し、時間とともに発芽率が落ちるので、まける時期の少し前に新しい種を手に入れて、届いたら早めにまくのがいちばん確実です。

オベサを種から育ててみたいと思ったとき、最初に迷うのが「種はどこで手に入るのか」です。株はよく見かけても、種となると売り場で目にする機会はぐっと減ります。しかもオベサは雌雄異株で、手元の1株からは種が採れません。

この記事では、オベサの種の手に入れ方を、自分で採る場合と、買う・譲ってもらう場合に分けてまとめます。入手先ごとの違い、選ぶときに見るところ、届いた種の保存、まく時期に合わせた手に入れ方までを順に見ていきます。種をまいてからの手順はオベサの実生にまとめてあります。

オベサの種を手に入れる3つの道

オベサの種の入り口は、大きく分けて3つです。

入手の道向いている人気にかけたいこと
自分で採るすでに数株育てていて、花が咲いている雄株と雌株の2株が要る。咲く時期が重なるか
譲ってもらう育てている知人や、愛好家の集まりにつながりがある採った時期と親を聞いておく
買う手元に株がない、今年まきたい採種の時期と粒の状態を確かめる

どの道でも共通しているのは、オベサの種は新しいほどよく発芽するということです。ユーフォルビアの種は、採ってから時間が経つにつれて発芽率が下がっていく傾向があります。どこで手に入れるかと同じくらい、「いつ採られた種か」が結果を左右します。

自分で採る|雄株と雌株の2株がそろうところから

すでにオベサを育てているなら、いちばん鮮度の高い種は自分の棚から採れます。ただし前提があります。オベサは雌雄異株で、雄花だけをつける株と雌花だけをつける株が別々にあります。1株だけでは、どれだけ花が咲いても種はできません。

そして、雌雄は花が咲くまで外見では見分けられません。手元の株がどちらなのかは、咲いた花の真ん中を見てはじめて分かります。雄株なら黄色い花粉をつけた雄しべが房になって立ち上がり、雌株なら先が3つに分かれた柱頭が突き出ます。見分け方はオベサの雌雄の見分け方に、何株そろえれば雄と雌がそろいやすいかもあわせてまとめています。

雄株と雌株の花が同時に咲いたら、雄花の花粉を細い筆で取り、雌花の柱頭につけます。受粉が決まると柱頭の下が3つの部屋に分かれた果実にふくらみ、ひとつの果実から3粒の種が採れます。熟した果実は弾けて種を遠くへ飛ばすので、色づき始めたら通気のある袋をかぶせて受け止めます。花粉の付け方から採種までの手順はオベサの受粉にまとめました。

自分で採った種のよいところは、採った日と親がはっきりしていることです。同じ棚で鉄甲丸など別の種類が咲いていて、意図して掛け合わせた場合は、その組み合わせも記録に残しておきます。異なる種類どうしの掛け合わせについてはユーフォルビアの交配にまとめています。

買う・譲ってもらうときに見るところ|採種時期、親、粒の状態

手元に株がない、あるいは今年のうちにまきたい場合は、人の手を経た種を迎えることになります。そのとき確かめたいのは次の3つです。

見るところ確かめたいこと分からないときは
採種の時期何年の何月ごろに採られた種か出品者や譲り手に聞く。答えが曖昧なら新しくない前提で考える
親の記載オベサどうしで受粉した種か、別の種類との交配か「オベサ」とだけある場合は、どう受粉させたかを聞いてみる
粒の状態ふっくらして中身が詰まっているか、割れや潰れがないか届いてから見分け、怪しい粒は分けてまく

採種の時期は、いちばん大事な情報です。同じ値段なら、採種年が新しいものを選びます。袋に採種時期の記載があるかどうかは、扱い手が鮮度を気にかけているかどうかの目安にもなります。

親の記載は、育ってくる姿に関わります。オベサどうしを受粉させた種なら、育つ株はオベサらしい姿の幅に収まります。いっぽう、ほかのユーフォルビアと一緒に咲いている棚で採られた種や、鉄甲丸と掛け合わせた種からは、親と違う顔の株が出てきます。どちらが良い悪いではなく、何が育つつもりで迎えるのかを知っておくための情報です。オベサと掛け合わせによく使われる種類との見分けどころはオベサと鉄甲丸の違いにまとめています。

粒の状態は、届いてから手元で確かめられます。オベサの種は直径3mmほどの丸い粒で、灰色がかった茶色に細かいまだらが入ります。指先で軽くつまんで、ふっくらと硬さのあるものが中身の詰まった種です。ぺたんと平たいもの、軽すぎるもの、割れているものは、中身が育っていないことがあります。

白い小皿に並んだ、灰褐色に細かいまだらの入った小さな丸い種。右手前に、割れて中身のない殻が2つ離して置かれている ふっくら丸い粒と、割れて中身のない殻。まく前に分けておくと結果が読みやすくなります。(AIで生成したイメージです)

入手先ごとの違い|専門店、交換会やイベント、フリマや個人の出品

買う・譲ってもらう場合も、入手先によって分かることと分からないことが違います。

入手先分かりやすいこと気にかけたいこと
種子を扱う専門店採種時期や親の記載がついていることが多い入荷の時期が限られ、品切れになりやすい
交換会・園芸イベント育てている人から直接話を聞ける開催の時期とまく時期が合うとはかぎらない
フリマアプリ・個人の出品少ない粒数から手に入る採種時期や親の情報が書かれていないことがある

専門店の種は、記載が整っているぶん判断がしやすいのが利点です。交換会やイベントでは、種を採った本人から、どの株とどの株を掛け合わせたのかを聞けることがあります。種そのものに加えて、その株の育ち方の話を聞けるのも、人から譲ってもらう良さです。

フリマアプリや個人の出品は、手軽に少量から手に入るぶん、説明文だけでは鮮度や親が分からないことがあります。採種の時期と、どう受粉させた種かを、購入前にひとこと聞いておくと判断がつきます。写真の見方や出品者への聞き方は、株を例にしたオベサをメルカリで買うときの考え方がそのまま使えます。

海外の種子通販から取り寄せる方法もありますが、種子の輸入には植物防疫の手続きが関わります。条件は国や植物によって異なるので、取り寄せる前に植物防疫所の案内で確かめておくのが安心です。

届いた種の保存|乾かして、紙の袋で涼しい場所へ

種は届いたらできるだけ早くまくのがいちばん確実です。とはいえ、季節が合わずに少し待つこともあります。その場合は、湿気と温度を避けて置いておきます。

  • 乾いた状態で、紙の袋に入れる:自分で採った種は、殻のかけらを取り除いてから数日乾かします。湿ったまま密閉容器に入れるとカビが出ます。
  • 涼しく暗い場所に置く:日の当たる窓辺や、暖房の近くは避けます。冷暗所の棚や、乾燥剤を入れた箱の中が向いています。
  • 袋に採種時期と親を書いておく:買った種も、袋に届いた日と元の記載を書き写しておくと、あとでまく順番を決めやすくなります。

厚紙の箱の中に、文字のない小さな紙の種袋がいくつか並び、乾燥剤の小袋が添えられている。ひとつの袋の口から灰褐色の小さな種がのぞいている 保存は紙の袋と乾燥剤で。密閉した容器に湿ったまま入れるとカビの原因になります。(AIで生成したイメージです)

保存はあくまで、まける時期までの橋渡しです。何年も置いておくほど発芽はそろわなくなるので、手に入れた年か、遅くとも翌年のまき時にはまいてしまうのが無理のない付き合い方です。

まく時期から逆算して手に入れる

オベサの種まきに向くのは、気温が20〜25℃くらいで安定する春から初夏です。秋も気温が合えばまけますが、苗が小さいまま冬を迎えることになるので、はじめての年は春まきのほうが管理が楽です。

ここから逆算すると、種を手に入れるのはまく少し前がいちばん無駄がありません。用土や鉢、腰水用のトレーを先にそろえておき、種が届いたその週にまける状態にしておくと、鮮度を落とさずに済みます。秋や冬に良い種に出会った場合は、上の方法で保存して春を待つか、室内で温度を保てるならその時期にまく、という選び方になります。

まいてから芽が出るまでの温度と日数、出ないときに確かめる順番は塊根植物の種が発芽しない原因にまとめています。

種が手に入ったら、次は種まきですまく時期と用土、腰水の張り方、発芽までの日数と1年目の管理を、手順としてまとめています。
オベサの実生の手順を見る →

縁側では、球形ユーフォルビアのオベサ鉄甲(愛好家のあいだでは「オベ鉄」)を中心に、実生の株を1株ずつ姿を見て紹介していく予定です(個体販売は準備中)。はじめの入荷は入荷通知に登録いただいた方から先にお知らせします。

よくある質問

オベサを1株持っていれば、種は採れますか?

採れません。オベサは雌雄異株で、雄花だけをつける株と雌花だけをつける株が別々にあります。1株では自分の花粉で種を結べないため、咲いている雄株と雌株の2株が要ります。雌雄は咲くまで見分けられないので、自分で採るつもりなら、苗を数株そろえて育てておくのが近道です。

買った種がなかなか発芽しません。種が古かったのでしょうか?

種の鮮度が原因のこともありますが、まずは温度と日数を確かめます。オベサは20〜25℃くらいで、条件が合えば数日から2週間ほどで芽を出します。温度が足りないと日数が延びるので、待つ段階なのか、まき直す段階なのかを先に見分けます。確かめる順番は発芽しない原因の記事にまとめています。

「オベサの種」とだけ書かれた種から、どんな株が育ちますか?

オベサどうしを受粉させた種なら、オベサらしい丸い姿の幅に収まります。ただ、ほかのユーフォルビアと一緒に咲いている棚で採られた種や、鉄甲丸と掛け合わせた種からは、親と違う顔の株が出てくることがあります。どんな株を育てるつもりかに関わるので、どう受粉させた種かを入手前に聞いておくと安心です。

種は冷蔵庫で保存したほうがよいですか?

乾いた状態で紙の袋に入れ、乾燥剤と一緒に涼しく暗い場所に置いておけば、まく時期までの短い保存には足ります。冷蔵庫に入れる場合も、湿気を吸わないよう乾燥剤と一緒に容器に入れます。いずれにしても保存は橋渡しで、手に入れた年か翌年のまき時にはまいてしまうのが確実です。

縁
縁側 編集部オベサ鉄甲を中心に、塊根植物とユーフォルビアの育て方と選び方を、静かに言葉にしています。

入荷のお知らせと育て方の便りを、月に二度。

個体販売は準備中です。はじめの入荷は、登録いただいた方から先にお知らせします。