育て方

ユーフォルビアの肥料|要る・要らないの目安と、球形・柱状・低木で変わる時期と量

縁側の棚に並ぶ球形のオベサ、細い枝のミルクブッシュ、赤い花のハナキリンの3鉢と、計量カップから薄めた液体肥料をじょうろへ注ぐ手元
AIで生成したイメージです
この記事の結論

ユーフォルビアは肥料が少なくても育つ植物で、与えるなら生育期に薄めた液体肥料を月1回ほどが出発点です。オベサやバリダのような球形・柱状の多肉質タイプは春と秋だけ、なくても構いません。ミルクブッシュは5〜9月に月1回、花を咲かせ続けるハナキリンは5〜10月に2週間に1回と、低木タイプほど多く使います。冬、真夏に動きが止まっている株、植え替えや挿し木の直後、弱っている株には与えません。多すぎると姿が間延びし、縞や色が薄くなります。

ユーフォルビアに肥料を与えるかどうかは、株の姿でほぼ決まります。同じ属に、ほとんど肥料なしで締まった姿を保つ球形の株も、生育期に肥料をよく使って花を咲かせ続ける低木も含まれているためです。「ユーフォルビアは肥料がいらない」という説明と「定期的に与える」という説明が両方見つかるのは、どちらも別のタイプの話をしているからです。この記事では、まず手元の株のタイプで要る量の見当をつけ、与え方の基本、時期とタイプ別の加減、与えない場面、多すぎたときの戻し方を順にまとめます。肥料の種類や袋の数字の読み方そのものは、塊根植物と共通の話として塊根植物の肥料の選び方に詳しく書いています。

肥料がどれだけ要るかは、株のタイプで決まる

ユーフォルビアの多くは、雨が少なく養分の乏しい土地に生えています。体に水と養分をためる力が強い株ほど、鉢の中で肥料を足す必要は小さくなります。反対に、葉を広げ、花を咲かせ続ける株ほど、生育期に使う量が増えます。

株のタイプ代表的な種与える時期量の目安
球形・柱状の多肉質オベサ、バリダ、ホリダ、ラクテア春(4〜5月)と秋(9〜10月)薄い液体肥料を月1回まで。なくても育つ
葉を出す多肉質鉄甲丸、峨眉山葉が開いている生育期薄い液体肥料を月1回。植え替え時に粒をひとつまみ
枝を伸ばす低木ミルクブッシュ5〜9月薄い液体肥料を月1回、または粒を2〜3か月に1回
花を咲かせ続ける低木ハナキリン5〜10月薄い液体肥料を2週間に1回
草花のように茎が立つポリクロマ、カラキアス春の芽出し前後緩効性の粒を少し。庭植えはほぼ不要

素焼き鉢に植えた球形のオベサ、細い枝のミルクブッシュ、赤い花のハナキリンを並べ、それぞれの前の小皿にごく少量・少し・多めの白い粒を置いた様子 左から球形タイプ、枝を伸ばす低木、花を咲かせ続ける低木。同じユーフォルビアでも、使う肥料の量がこれだけ違います。(AIで生成したイメージです)

手元の株がどのタイプか迷うときは、茎が太くふくらんでいるか、枝分かれして茂るか、花を長く咲かせるかを見ます。代表的な種の姿はユーフォルビアの種類に並べています。

与え方の基本|薄く、少なく、生育期だけ

タイプで量は変わっても、与え方の決まりはユーフォルビア全体で共通です。

  • 袋の表示より薄める:液体肥料は、袋に書かれた倍率よりさらに2倍ほど薄めます。多肉植物用と書かれていない肥料ならなおさらです。
  • 水やりの日に、土が少し湿ってから:乾ききった土に濃い液を入れると根先を傷めます。乾いた鉢には先にふつうの水を軽く与え、そのあとで肥料を溶かした水を鉢の縁から注ぎます。
  • 株ではなく土に:稜の谷や葉の付け根、子株のすき間に肥料を溶かした水が残ると、肌が傷みやすくなります。置き肥の粒も株元から離し、鉢の縁に寄せて置きます。
  • 窒素が突出していないものを:窒素は葉や茎を伸ばす成分で、多いと姿が間延びします。3つの数字がほぼ同じか、リン酸・カリのほうがやや多いものが扱いやすいです。
  • 粒と液体を重ねすぎない:植え替えのときに緩効性の粒を混ぜたなら、それが効いている数か月は液体肥料を控えめにします。

用土そのものは赤玉土や軽石が主体で肥料分が少ないものが合っています。配合の考え方は用土の配合にまとめました。

与える時期|暦より、株が動いているかで決める

肥料を吸えるのは、根が動いて水をよく吸っているあいだだけです。目安になる月はタイプごとに違いますが、始める合図と止める合図は共通しています。

  • 始める合図:頂部から新しい葉や芽が出る、鉢の乾きが早くなる。冬越し明けの株は、水やりを通常に戻してから2〜3週間ほどおき、動きを確かめてから始めます。
  • 止める合図:葉が黄ばんで落ちはじめる、乾きが遅くなる、最低気温が10℃を下回りはじめる。

球形・柱状の多肉質タイプには、もうひとつ止める時期があります。日本の蒸し暑い真夏は動きが鈍るので、梅雨から真夏のあいだは肥料を休み、秋の生育が戻ってから再開します。一方、ミルクブッシュやハナキリンのような低木タイプは夏がいちばん育つ時期で、そのまま続けて構いません。ただし35℃を超える日が続くあいだは、置き肥の粒が効きすぎることがあるので、液体肥料だけにしておくと安心です。

季節ごとの水の加減はタイプでかなり違うので、あわせてユーフォルビアの水やりを見ておくと、肥料を与える日も決めやすくなります。

タイプ別の加減

球形・柱状の多肉質タイプ|なくても育つ、与えるならごく少し

オベサやバリダ、ホリダのような球形の株は、いちばん肥料を必要としない仲間です。植え替えのときに緩効性の粒をひとつまみ混ぜておくか、春と秋に薄い液体肥料を月1回まで。これで足りなければ足す、ではなく、これを上限と考えます。

このタイプで肥料が多いと、まず姿に出ます。オベサやバリダは稜が浅くなって肌がゆるみ、横縞の色が薄くなります。縞をはっきり出すのは肥料ではなく、十分な光と秋から冬の適度な低温です。大きく育てたいときも、肥料より光・根詰まり・冬の過ごし方を先に見直します。育つ速さの目安はオベサの成長にまとめています。

柱状のラクテアは5〜9月に薄い液体肥料を月1回ほど。白い部分の多いホワイトゴーストは育ちがゆっくりなので、回数を半分ほどにします。扇形のマハラジャのような接ぎ木の株は、肥料を吸うのが下の台木なので、多いと台木の芽が出やすくなります。控えめにしておきます。

葉を出す多肉質タイプ|葉が開いているあいだだけ

鉄甲丸や峨眉山は、生育期に頂部から葉を出し、休眠に入ると落とします。肥料も葉に合わせて、葉が開いているあいだに薄い液体肥料を月1回、葉が黄ばみはじめたら止めます。植え替えの時期に緩効性の粒をひとつまみ混ぜるだけでも足ります。

オベサと鉄甲丸を掛け合わせたオベサ鉄甲(愛好家のあいだでは「オベ鉄」)も、球形タイプと同じく控えめで十分です。頭に短い葉を出す個体なら、葉の様子を止める合図に使えます。

枝を伸ばす低木タイプ|月1回を、5〜9月に

ミルクブッシュは、5〜9月の生育期に薄い液体肥料を月1回、または緩効性の粒を2〜3か月に1回。多肉質タイプより枝や葉で養分を使うので、与えると枝の伸びと色が整います。

ただ、肥料が効きすぎると枝が細く長く伸び、間延びした姿になります。秋に枝先を赤く色づかせたい「ファイヤースティック」は、秋まで窒素の多い肥料を続けると色が出にくくなるので、9月でいったん止めます。

花を咲かせ続ける低木|ハナキリンだけは多めに

ハナキリンは、ユーフォルビアのなかでいちばん肥料を使う種類です。花を次々に咲かせるためで、5〜10月に薄い液体肥料を2週間に1回ほど与えます。選ぶならリン酸(袋の数字の真ん中)がやや多いもの。窒素の多い肥料を続けると、葉と茎ばかりが茂って花が減ります。

冬に休ませる株は10月いっぱいで止めます。暖かい部屋で冬も咲かせ続ける管理にするなら、明るさが保てる範囲で薄めた液体肥料を続けても構いません。

草花のように茎が立つタイプ|庭植えはほとんど要らない

ポリクロマやカラキアスのような草花タイプは、鉢植えなら春の芽出しのころに緩効性の粒を少し置く程度で育ちます。庭植えで根づいたあとは、ほぼ肥料なしで構いません。肥料が多いと茎がやわらかく伸びて倒れやすくなり、花の色もぼやけます。

肥料の種類と袋の数字を確かめたい方へ緩効性の粒と液体肥料の違い、窒素・リン酸・カリの読み方、薄める目安をまとめています。
塊根植物の肥料の選び方を見る →

与えないほうがよい場面

時期が生育期でも、根が肥料を受け取れない状態のときは待ちます。

  • 植え替えの直後:根の傷がふさがり、新しい葉や芽が動くまで。植え付けから10日ほどは与えません。タイプ別の根の扱いと水を戻す日数はユーフォルビアの植え替えにあります。
  • 挿し木の発根前:根がないので肥料の出番がありません。発根して新しい成長が見えてから、成株より薄くして始めます。手順はユーフォルビアの挿し木に。
  • 冬と、多肉質タイプの真夏:使いきれない成分が鉢に残り、根の負担になります。
  • 迎えたばかりの株:鉢も置き場所も変わった直後は、まず1〜2週間ほど様子を見ます。
  • 調子を崩している株:しぼむ、柔らかくなる、根元が黒ずむといった株に肥料を足しても、回復は早まりません。先に水と光と根を確かめます。根の傷みが疑わしいときの見分けはユーフォルビアの根腐れにまとめています。

花が咲かないときも、肥料は最初に疑う場所ではありません。ハナキリンを除けば、咲かない理由は光の量と株の年数であることがほとんどです。花の咲く時期やしくみはユーフォルビアの花にまとめています。

多すぎたときのサインと、戻し方

肥料が多いときのサインは、株と鉢の両方に出ます。

  • 株の姿:先端が細く淡い色で伸びる。球形タイプは稜が浅くなり、横縞がぼやける。
  • 葉や根:新しい葉の先が茶色く焼ける。根の先が黒ずむ。
  • 鉢:鉢の縁や土の表面に、白い結晶のようなものがたまる。

先端が細く淡い色に間延びした柱状のユーフォルビアの鉢を手袋をした手で傾け、鉢底から水を流している。隣には同じ種類の締まった濃緑の株が並ぶ 左は肥料が多く、先が細く淡く伸びた株。右の締まった株と比べると違いがよく分かります。鉢底から水を流して、土に残った成分を抜きます。(AIで生成したイメージです)

気づいたら、まず肥料を止めます。置き肥の粒は取り除き、次の水やりで鉢底から水がしっかり流れ出るまで与えて、土にたまった成分を洗い流します。ユーフォルビアは傷つくと白い樹液を出すので、鉢を扱うときは手袋をつけておくと安心です(白い樹液の扱い)。根の傷みが強ければ、生育期のうちに新しい用土へ植え替えます。

一度細く伸びた部分は、元の太さには戻りません。光を十分に戻し、肥料を控えれば、その先は締まった姿で育ちます。伸びた部分を切って整えるかどうかの判断はユーフォルビアの徒長にまとめました。

縁側では、オベサと鉄甲丸の交配種「オベサ鉄甲」の個体を、1株ずつ姿を見て紹介していく予定です(個体販売は準備中)。はじめの入荷は入荷通知に登録いただいた方から先にお知らせします。

よくある質問

ユーフォルビアに肥料は必要ですか?

球形や柱状の多肉質タイプは、なくても育ちます。与えるなら、生育期に薄めた液体肥料を月1回までが目安です。ミルクブッシュのような低木は5〜9月に月1回ほど与えると枝の伸びと色が整い、花を咲かせ続けるハナキリンは5〜10月に2週間に1回ほど与えると、つぼみが上がりやすくなります。

多肉植物用の肥料と、観葉植物用の肥料のどちらを使えばいいですか?

多肉植物・サボテン用と表示されたものが扱いやすいです。窒素が控えめに配合されていることが多く、姿が間延びしにくいためです。観葉植物用を使う場合は、さらに薄めて回数を減らします。ハナキリンには、リン酸がやや多い草花用の液体肥料も合います。

室内で育てている株にも肥料を与えていいですか?

与えて構いませんが、屋外より控えめにします。室内は光が弱く、肥料を足すと間延びしやすくなるためです。薄めた液体肥料を生育期に月1回までにし、匂いやカビが出やすい有機肥料は避けたほうが清潔です。

冬も成長しているように見えます。肥料を続けてもいいですか?

最低気温15℃以上の明るい部屋で、新しい葉や花が出続けているなら、ごく薄い液体肥料を月1回ほど続けても構いません。ただし光が足りない場所では、肥料が姿の間延びにつながります。迷うときは冬は止め、春に動きが見えてから再開するほうが確実です。

縁
縁側 編集部オベサ鉄甲を中心に、塊根植物とユーフォルビアの育て方と選び方を、静かに言葉にしています。

入荷のお知らせと育て方の便りを、月に二度。

個体販売は準備中です。はじめの入荷は、登録いただいた方から先にお知らせします。