ユーフォルビアの和名一覧|魁偉玉・鱗宝・帝錦など園芸名と学名の対応表

ユーフォルビアには、魁偉玉(ホリダ)、鱗宝(マミラリス)、帝錦(ラクテア)のように、日本で付けられた和名(園芸名)を持つ種類が多くあります。同じ株が和名・学名の読み・流通名の3通りで売られるため、札の名前から学名までたどれると、育て方を調べるときに迷いません。この記事では姿のタイプごとに和名と学名を対応させ、学名を持たない交配種の名前の読み方もまとめました。
園芸店の札に「魁偉玉」とあり、図鑑には「ホリダ」とある。同じ植物なのに名前がつながらない、というのはユーフォルビアではよくあることです。古くから日本で付けられてきた和名(園芸名)と、学名をカタカナにした呼び名が、どちらも現役で使われているためです。この記事では、よく出会う種類の和名と学名を姿のタイプごとに対応させ、名前の付き方の傾向と、学名を持たない交配種の名前の読み方までまとめました。
和名・学名の読み・流通名|札の名前は3通りある
ユーフォルビアの札に書かれる名前は、おおよそ次の3通りです。
| 名前の種類 | 例 | どこから来た名前か |
|---|---|---|
| 和名(園芸名) | 魁偉玉、鱗宝、帝錦、紅彩閣 | 日本の園芸の中で付けられてきた漢字の名前 |
| 学名の読み | ホリダ、マミラリス、ラクテア、エノプラ | 学名の種小名をカタカナにしたもの |
| 流通名・品種名 | 白樺キリン、ホワイトゴースト、ミルクブッシュ | 売り場で広まった呼び名や、斑入りなどの園芸品種名 |
一つの種類に和名が二つ三つあることも珍しくありません。オベサには「晃玉」と「麒麟玉(キリン玉)」の両方が見られ、ミルクブッシュは「青珊瑚」とも「緑珊瑚」とも呼ばれます。どの名前で買った株でも、学名を一つ控えておけば、あとで別の名前の資料に出会っても同じ植物だと分かります。
以下の一覧の和名は、園芸の植物データベースや百科事典の記載で学名との対応が確かめられたものに絞りました。同じ和名が店によって別の植物に使われていることもあるので、迷ったときは姿の特徴と合わせて確かめるのが確実です。属全体の和名「トウダイグサ(燈台草)」の由来はユーフォルビアの花で扱っています。
球形・群生するユーフォルビアの和名一覧
手のひらに収まる球や、短い柱が寄り集まる種類です。和名に「玉」「丸」「宝」が付くものが多く見られます。
| 和名 | 学名 | 学名の読み・別の呼び名 | 詳しい記事 |
|---|---|---|---|
| 晃玉、麒麟玉(キリン玉) | Euphorbia obesa | オベサ | オベサの育て方 |
| 魁偉玉(かいいぎょく) | Euphorbia horrida | ホリダ | ホリダ |
| 万代(ばんだい) | Euphorbia valida | バリダ | バリダ |
| 貴青玉(きせいぎょく) | Euphorbia meloformis | メロフォルミス | オベサとバリダの違い |
| 瑠璃晃(るりこう) | Euphorbia susannae | スザンナエ | スザンナエ(瑠璃晃) |
| 笹蟹丸(ささがにまる) | Euphorbia pulvinata | プルビナータ | 笹蟹丸 |
| 鱗宝 | Euphorbia mammillaris | マミラリス。斑入りが白樺キリン | 白樺キリン |
| 玉鱗宝 | Euphorbia globosa | グロボーサ | |
| 孔雀丸 | Euphorbia flanaganii | フラナガニー |
ホリダの学名は、近年の分類では Euphorbia polygona の変種(E. polygona var. horrida)として扱われることがあります。バリダも、貴青玉(メロフォルミス)の亜種とする資料と、独立した種とする資料があります。札の学名が資料と違って見えても、指している植物が同じことは多いので、名前の並びが一つずれていないかを見てみてください。オベサとバリダ・貴青玉の見分け方はオベサとバリダの違いに、球形の代表種の姿の比べ方はユーフォルビアの種類にまとめています。
柱状・松かさ状・低木のユーフォルビアの和名一覧
左が紅彩閣、右が白樺キリン。柱の姿をもつ種類には「閣」や「キリン」の付く和名が多く見られます。(AIで生成したイメージです)
柱のように立ち上がるもの、松かさのような幹を持つもの、枝を茂らせる低木です。和名に「閣」「キリン(麒麟)」が付くものが目立ちます。
| 和名 | 学名 | 学名の読み・別の呼び名 | 詳しい記事 |
|---|---|---|---|
| 鉄甲丸(てっこうまる) | Euphorbia bupleurifolia | ブプレウリフォリア。ソテツキリン、パイナップルコーンとも | 鉄甲丸の育て方 |
| 紅彩閣(こうさいかく) | Euphorbia enopla | エノプラ | 紅彩閣 |
| 闘牛角 | Euphorbia schoenlandii | スコエンランディ | 闘牛角 |
| 彩雲閣 | Euphorbia trigona | トリゴナ | |
| 勇猛閣 | Euphorbia ferox | フェロックス | |
| キリン冠 | Euphorbia grandicornis | グランディコルニス | |
| 帝錦(みかどにしき) | Euphorbia lactea | ラクテア。斑入りがホワイトゴースト | ラクテア |
| 和名 | 学名 | 学名の読み・別の呼び名 | 詳しい記事 |
|---|---|---|---|
| 花麒麟(はなきりん) | Euphorbia milii | ミリー。札ではハナキリン | ハナキリン |
| 青珊瑚、緑珊瑚 | Euphorbia tirucalli | ティルカリ。ミルクブッシュ | ミルクブッシュ |
| 猩々木(しょうじょうぼく) | Euphorbia pulcherrima | ポインセチア |
鉄甲丸の別名「ソテツキリン」は、原種の鉄甲丸を指して使われるほか、鉄甲丸を片親にした交配種の名前としても売られています。どちらを指しているかの見分けはソテツキリンに。紅彩閣は、名前の似た彩雲閣(トリゴナ)とは別の植物で、紅彩閣は赤いとげ、彩雲閣は3稜の柱と枝先の葉が目印です。
タコもの・塊根性のユーフォルビアの和名一覧
低い株元から細い枝を四方へ広げる「タコもの」と、膨らんだ根を持つ塊根性の種類です。和名に「竜」の付くものがあります。
| 和名 | 学名 | 学名の読み・別の呼び名 | 詳しい記事 |
|---|---|---|---|
| 金輪際(こんりんざい) | Euphorbia gorgonis | ゴルゴニス | 金輪際(ゴルゴニス) |
| 天荒竜 | Euphorbia caput-medusae | カプトメデューサエ | |
| 飛竜(飛龍とも) | Euphorbia stellata | ステラータ | 飛竜 |
カプトメデューサエ(caput-medusae)は「メドゥーサの頭」という意味で、うねる枝を蛇の髪に見立てた名前です。タコもの全体を英語で「メデューソイド(メドゥーサのような)」と呼ぶのも、同じ見立てです。タコものの育て方の考え方は金輪際に、根の膨らむ種類との付き合い方は塊根植物(コーデックス)とはにまとめています。
交配種の名前の読み方|峨眉山・オベサ鉄甲ほか
交配種には、学名として正式に登録された名前がありません。札には日本語の園芸名か、「親A × 親B」の交配式が書かれます。和名の一覧に学名が並ばないのはこのためです。
| 園芸名 | 交配の組み合わせ(とされるもの) | 詳しい記事 |
|---|---|---|
| 峨眉山 | 鉄甲丸 × 瑠璃晃(E. bupleurifolia × susannae) | 峨眉山 |
| 峨眉山鉄甲 | 峨眉山 × 鉄甲丸とされる | 峨眉山鉄甲 |
| オベサ鉄甲 | オベサ × 鉄甲丸(E. obesa × bupleurifolia) | オベサ鉄甲 |
| ホリダ鉄甲 | ホリダ × 鉄甲丸 | ホリダ鉄甲 |
| 笹蟹鉄甲 | 笹蟹丸 × 鉄甲丸 | 笹蟹鉄甲 |
| バリダ鉄甲 | バリダ × 鉄甲丸 | バリダ鉄甲 |
「○○鉄甲」という名前は、前に相手の親の名前、後ろの「鉄甲」が鉄甲丸を指す形です。名前を読めば、どの2種を掛けたつもりの株なのかが分かります。ただ、峨眉山鉄甲のように親の説明が資料によって割れるものもあり、名前だけで中身が決まるわけではありません。親の顔のどちらが強く出ているかで、水やりや冬の扱いをどちらの親に寄せるかを決めると無理がありません。鉄甲丸を片親にした交配種の全体は鉄甲丸の交配種まとめにまとめています。
オベサ鉄甲は、愛好家のあいだでは略して「オベ鉄」とも呼ばれます。丸いオベサの体に鉄甲丸ゆずりの突起と小さな葉がのる姿は、同じ親から生まれても一株ごとに違います。
名前の付き方の傾向|玉・丸・閣・キリン
一覧を並べてみると、和名の語尾に姿の手がかりが見えてきます。決まりではなく傾向ですが、知らない和名に出会ったときの見当づけには役立ちます。
- 「玉」:晃玉、魁偉玉、貴青玉、玉鱗宝。球形や、球から始まる種類に多く見られます。
- 「丸」:鉄甲丸、笹蟹丸、孔雀丸。丸みのある株や、短い茎が寄り集まる種類に付いています。
- 「閣」:紅彩閣、彩雲閣、勇猛閣。稜の立った柱が上へ伸びる、建物のような姿の種類です。
- 「キリン(麒麟)」:花麒麟、白樺キリン、キリン冠、ソテツキリン。とげや突起のある茎を、伝説の麒麟に見立てた名前として広く使われています。
- 「竜」:飛竜、天荒竜。地を這う枝や、うねる枝を竜に見立てています。
一方で、斑入りや色変わりの園芸品種は、和名ではなく英語の流通名で並ぶことがよくあります。ホワイトゴースト(ラクテアの斑入り)、ミルクブッシュ(ティルカリ)、ファイヤースティック(ティルカリの赤く色づく系統)などがその例です。種類ごとの姿と育てやすさはユーフォルビアの種類で、タイプ別の育て方の基本はユーフォルビアの育て方で見比べられます。
よくある質問
和名と学名、どちらで調べるのがよいですか?
育て方を詳しく調べるなら、学名(またはその読み)で探すと情報が見つかりやすくなります。和名は一つの種類に複数あったり、店によって別の植物に使われていたりするためです。札に和名しか書かれていないときは、この記事の一覧で学名を確かめてから調べると、別の植物の情報が混ざりにくくなります。
オベサの和名は何ですか?
「晃玉」と「麒麟玉(キリン玉)」の両方が見られます。売り場や図鑑では学名の読みの「オベサ」で並んでいることも多いので、どの名前の札でも同じ植物と考えてかまいません。オベサと鉄甲丸を掛け合わせた交配種は「オベサ鉄甲」と呼ばれます。
和名が一覧に載っていない種類は、和名がないのですか?
この一覧は、学名との対応が資料で確かめられたものに絞っています。載っていない種類にも和名があることはありますし、デカリーやオンコクラーダのように学名の読みで呼ばれるのがふつうの種類もあります。札の名前が見つからないときは、学名の読みで調べるか、姿の特徴からユーフォルビアの種類で近いものを探してみてください。